「炎上」したって曲げない。りゅうちぇる流・子育て論とは

「先生もすぐには変われない。先生や学校とのコミュニケーションをサボらずに」

 会場では、様々な悩みを持つ親たちから多くの質問が寄せられた。中学生の子どもを持つ母親からの「多様性を謳いながらも画一的な対応を求めてくる学校や教師に対してどのように付き合っていけば良いか」との質問に対して「社会が変わっても、人は急には変わらない」と話すりゅうちぇるさん。 「今の時代に合う教育は必要。でも急に変わることはない。先生や学校とのコミュニケーションをサボらずにやっていくことが、子どものためにつながるんじゃないかな」と優しく語りかけていた。

「ジェンダーレス男子もイクメンも、意図的に作られた言葉でしかない」

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 一方で、「自分らしさ」を見出すことに悩む若者も多い。「自分では自分のことを大人の女性だと思っているのに、年上の男性から『女の子』と扱われることにモヤっとしてしまう」と話す20代の女性もいた。時には「タレント・りゅうちぇる」として明るく奔放なキャラクターを求められ、時には「一人の男性」「一人の父親」としての振る舞いも求められるりゅうちぇるさんは、どのように考えているのか。 「『ジェンダーレス男子』って何?『イクメン』って何?ってよく思う。これらは、広めていくために意図的に作られた言葉でしかない。大事なのは、自分で発信しているかどうか、ということ。一方的に相手に決めつけられたらモヤモヤする。仕事としては割り切って自分を守ることも必要かも」と語る。 「そりゃあ派手だし目立つよね、とか、意外に冷静に自分のことを見ている」と話すりゅうちぇるさんに、竹下さんも「相手を先回りして、自分で自分のことをラベリングするのは良いかも」と頷く。 「よく『誰のことも傷つけないことを言ってくれる』と言われることがあるけれど、それは僕が色々な意見があることを認めているからだと思う。全ての意見を理解するのは理想的だけど、実際は無理。意見を一つに絞る必要もないし、認め合えればそれで良い」とりゅうちぇるさん。  終始あたたかい雰囲気を醸し出しながらも、自分の言葉で丁寧に話す姿が印象的だった。会場で飛び交ったどんな質問にもまっすぐに向き合い発せられる言葉には、現代で支持される要素が宝箱のように詰まっていると感じた。 <取材・文/汐凪ひかり>
早稲田大学卒業後、金融機関にて勤務。多様な働き方、現代社会の生きづらさ等のトピックを得意分野とし、執筆活動を行っている。
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