その翌日、セントレア直結の愛知県国際展示場AICHI SKY EXPOでメインスピーカーに韓鶴子総裁を迎え教団が開催した4万人信者大会『孝情文化祝福フェスティバル』には自民党の
工藤彰三・池田佳隆両衆議院議員と元衆議院議員の
鈴木克昌と東郷哲也が来賓出席。
4万人の信者を動員して行われた『孝情文化祝福フェスティバル』(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
前日のジャパンサミットでの登壇の機会がなかった工藤は来賓祝辞で「このような盛大な場所で挨拶の機会」を得られたことに感謝の意を示し「韓鶴子総裁のご指導のもと、真の家庭運動、祝福という神聖な式典を開催されたことに心より敬意を表したい」「これだけの大勢の方の前でお話ができる。非常にわたくし工藤彰三は幸せな男だと思う。本日、皆さんととともにここに集えたことを誇りに思い、皆さんの生活をしっかりと守り抜く、政治家としてお誓い申し上げ、ご挨拶と替えさせていただきます」と教団への貢献をアピール、4万人の信者から拍手喝采を浴びた。
教団への貢献をアピールする工藤彰三議員(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
また
大村秀章、杉本達治、鈴木英敬といった愛知・福井・三重の各県知事と6人の市長からの祝電があったことが紹介され、司会者が鶴の文様が入った金色の大村知事の祝電を代読した。
「孝情文化祝福フェスティバルの開催を祝し、心よりお喜び申し上げます。混迷する東アジア情勢の中で太平洋運命圏時代と日韓米の連携をテーマに韓鶴子総裁をこの愛知県国際展示場にお迎えし、かくも各界各層の多くの皆様がご降臨くださったことに心より歓迎申し上げます。私は公務が重なり残念ながら出席が叶いませんが、世界平和の実現に向けて地球的規模で環境を整えてくださる韓鶴子総裁の力強い信念とリーダーシップに心より敬意を表すとともに、関係各位のご尽力にも敬意を表し、会のご成功を祈念いたします」
大村秀章・愛知県知事からの金の祝電を紹介する司会者(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
前半のメインイベントは会場の4000組8000名が受ける既成祝福。
県会議員と市会議員合わせて70組の中から36組72名の夫婦が代表家庭として登壇。真の父母(教祖夫妻)の代身として日本統一教会会長・徳野英治夫妻が主礼として成婚の儀式を行い、70人の地方議員が同教団の信者となった。
壇上で既成祝福を受け、信者となった地方議員夫婦(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
この日も主役は
韓鶴子総裁。日韓両国旗を振る4万人信者による「み旨の応援歌」大合唱の中、オープンカートに乗り会場をパレードする女帝。
4万人の大合唱の中でのパレード後、講演する韓鶴子総裁(以上の画像はPeaceTVより)
4万人の信者が支払ったチケット代は一枚につき1万円、概算で4億円の売上げだ。
信者が購入させられた1万円の入場チケット
その他にイベント献金として数十倍の献金納付がなされているはずとの情報もあり、ステージ正面には高額献金者のための特別席が設けられていた。
さぞや韓鶴子はご満悦と思いきや、会場でその表情を直接観察した人によると、この最高権力者は2世信者が“真の父母”に忠誠を誓う「無条件」ダンスの出し物の時間を除いて終始不機嫌そうだったという。
韓総裁の不機嫌さの理由は、この2日に渡る教団イベントに来賓出席した政治家の少なさにあったようだ。当初、教団内では5日の国際会議について「いよいよ10月5日、名古屋でジャパンサミットが開かれます。日本から国会議員約20人、知事や多数の県会議員、市会議員が参加。国家レベルのVIPたちと共に国際会議を行います(中和新聞2019.8.30掲載の徳野英治会長メッセージ)」と喧伝していた。にもかかわらず実際に参加した国会議員は両日合わせても10人に満たず、知事に至っては来場すらせず祝電を寄越しただけだった。
何故、当初教団会長が吹聴していた人数より国会議員の参加が少なかったのか。そこには弁護士団体から全国会議員に出されたある要望書が”功奏“したのではとの推測もなされている。
10月5日と6日の両イベントに来賓出席した政治家に質問書を送付した。
本稿後編では全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)による会見と国会議員への要望書の内容、そして今回の来賓国会議員から直接かかってきた電話での回答内容について記す。(文中敬称略)
<取材・文/鈴木エイト>