内閣制度と矛盾する菅原経産相の取材拒否。マラソン会見でもして説明責任を果たせ

菅原一秀経済産業相

菅原一秀経済産業相(撮影/藤倉善郎)

菅原一秀経産相による取材拒否事件

 10月12日付のハーバービジネスオンライン『「秘書給与ピンハネ」疑惑の菅原経産相会見、ジャーナリスト2名が「永劫に」出入禁止に』を読んで、大変に驚きました。野澤泰志・経済産業省大臣官房広報室長が、フリージャーナリスト2名に対し、大臣会見取材の「永劫」禁止を申し渡したという記事です。政権交代しても禁止という、ジャーナリストとしての職業生命にかかわる措置です。  驚いたのは、それが内閣制度の根幹にかかわるからです。記者クラブ以外の記者について、取材を禁じるというならば、それは言論や報道の自由にかかわる問題です。憲法でいえば、第21条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」に関する問題です。それは、社会にとって重要なことですが、筆者の専門外になります。  憲法でいえば、第66条「内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する」に関する問題です。第21条にかかわる問題であることも否定しませんが、政府とすればこちらの方が重大なはずです。  内閣制度の根幹にかかわる最大のポイントは、野澤室長が「経済政策に関する質問に限る」と、菅原経産相の統一教会問題を取材する2名のジャーナリストに述べ、会見取材を禁止する措置を取ったことです。菅原一秀経済産業大臣に対する質問内容を限定し、そこから外れる対象を取材するジャーナリストに対して、会見の取材を禁じたわけです。

国務大臣は国政全般に関与する

 内閣制度の根幹は、複数の国務大臣で構成する「内閣」が、行政権を有することにあります。アメリカ合衆国で行政権を有するのは、大統領という個人です。けれども、日本では、内閣総理大臣が行政権を有するのでなく、すべての国務大臣で構成する「内閣」という合議体の組織が、行政権を有します。憲法65条「行政権は、内閣に属する」と同66条「内閣は」「首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する」に根拠を有します。  これは、首相を含むすべての国務大臣で、政府を運営することを意味します。国務大臣である以上、あらゆる国政の課題について、見解を求められたとき、それを説明する責任が国務大臣にあるわけです。そこに、首相と他の国務大臣に、説明責任の差はありません。合議体の構成員であることに違いはないからです。  菅原経産相も、国務大臣です。安倍晋三首相から、内閣の一員たる国務大臣に指名され、その主担当として経済産業省を管理することになっています。これは、内閣法第3条「各大臣は」「主任の大臣として、行政事務を分担管理する」との定めに基づきます。正式には、国務大臣兼経済産業大臣なのです。  菅原経産相の会見取材を「経済政策」に限ることは、経済産業大臣としての取材は受けるけれども、国務大臣としての取材は受けないことを意味します。それでも、菅原経産相が他の場所で定期会見をするならばいいのですが、それはありません。よって、菅原経産相のみ、国務大臣としての説明責任を果たさないことになります。
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統一教会関係を説明しないのは国務大臣の職務放棄
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