<激震>山口組No.2の“現場復帰”で塗り替わるニッポンの地下経済

山口組大物がいよいよ出所

六代目山口組のNo.2である高山清司・若頭

六代目山口組のNo.2である高山清司・若頭

 日本最大の暴力団である山口組が分裂してから、4年が過ぎた。本家である六代目山口組は4400人。割って出た神戸山口組は1700人、さらに分派した任侠山口組は400人(いずれも2018年末の警察発表)の構成員を持つとされているが、ここにきて勢力図がガラリと塗り替えられつつある。トリガーとなるのは、六代目山口組のNo.2である高山清司・若頭の出所だ。  知人の建設会社社長を脅迫したとして、2014年より府中刑務所に服役していた高山若頭。その出所予定日は10月18日とされる。 「高山若頭がいない隙を突いて本家を割って出た神戸山口組の重鎮たちは、いよいよ苦しい。社会不在時に力を蓄えられなかった。それどころか、いまや仲間割れと責任の押し付け合いに終始している。神戸山口組が消えてなくなるのは間違いないが、その過程で一波乱、二波乱が必ず起きるでしょう」  そう語るのは、山口組に近しい実業家だ。事実、8月22日の夕刻に高山若頭が拠点とする神戸市内の事務所を何者かが襲撃。六代目山口組系組員が重症を負った。そして出所を目前に控えた10月10日、今度は高山若頭の出身母体である弘道会系組織の幹部が神戸山口組の中核組織・山健組の事務所を急襲。2名の死者を出す事態に発展した。  事態を重く見た警察当局は、兵庫・大阪の暴力団事務所に使用制限の仮命令を出している。

大阪万博利権が最後の“命綱”

 追い詰められた格好の神戸山口組の中枢では、収集がつかないほどの内紛が起きているーーとする情報もある。前出の実業家が語る。 「9月に入って、山健組の中田広志組長が姿を見せなくなりました。高山若頭の復帰を見越して地下に潜伏でもしたのか? と噂になりましたが、実情は違いました。親である井上邦雄・神戸山口組組長に顔面を殴打され、顎の骨を折ってしまったのです。原因は井上組長が目をかけていた人物の処遇をめぐるもので、激しい暴行を受けたようなんです。中田組長といえば、山健組の跡目を譲った一番の腹心。それなのにこの状況ですから、迷走ぶりがうかがえます」  それでも井上組長が神戸山口組を解散しないのには、経済的な理由があるという。 「2025年に開催されることが決まった大阪万博に唯一、山健組の企業だけが指名をもらっています。莫大な金額が動くため、それを手放したくない一心で井上組長はヤクザを続けていると見透かされてしまっている。関西ヤクザ業界は暴排条例で干上がっており、みかじめやショバ代といった伝統的なシノギは絶滅寸前。それゆえ、大型の公共事業が命綱となるのもわかるのですが、万博で恩恵を受けるのが井上組長だけとなれば、周りの士気があがるはずもない」(同前)
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これからはヤクザが「マフィア」化する!?
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