れいわ・山本代表、「消費税5%減税」を旗印に「安倍政権打倒」を呼びかける

消費税廃止したマレーシアを視察、データをもとに聴衆に説明

札幌市内で街頭演説をする山本太郎代表

9月24日、札幌市内で街頭演説をする山本太郎代表

 参院選で2議席を獲得して脚光を浴びた「れいわ新選組」の山本太郎代表が、北海道を第一弾にした全国ツアーを9月18日から開始。「消費税5%減税」を目玉政策にした「安倍政権打倒」を呼びかけ始めた。  9月24日の札幌駅南口での街頭記者会見には、約1000人が集まった。 「民主党政権の誕生前を彷彿させる熱気と聴衆の数でした。聴衆からの質問にていねいに答えながら、データをもとに消費税廃止などの政策を説明していく発信力は、小泉進次郎環境大臣以上でしょう」(札幌市民)  そんな熱気が最高潮に達したのは、「政権交代の旗印として消費税5%減税を掲げよう」と山本代表が訴えたことに聴衆が呼応、大きな拍手が沸き起こった時のことだ。  山本代表の訴えの特徴は、政策の裏づけとなるデータを示しながら説明していくことだ。消費税廃止(減税)の説明で用いたのは、立憲民主党の中谷一馬衆院議員から誘われて8月下旬に視察したマレーシアの経済指標だった。  マハティール首相が消費税廃止を掲げて政権交代を果たした同国では、実質国内生産(GDP)が2019年四半期で前年比4.9%も上昇していたのだ。これに対して、日本は1.2%増と低迷している。同時期の個人消費を見ても、マレーシアが7.8%増に対して日本は0.7%増と、差は歴然。消費税廃止の効果は明確に現れていたのだという。

「マレーシアにできた消費税廃止が日本でできないはずがない!」と強調

マレーシアの経済指標データ

8月に視察したマレーシアの経済指標データを示し、消費税廃止のメリットを紹介

 ただし、消費税廃止に伴う課題についても山本代表は説明。「マレーシアは消費税廃止による税収減を埋め合わせようとして、高級品購入に対してかかる間接税(SST)を復活させた。しかし、これだけでは税収減を補填しきれないので、さらなる所得税強化を検討している」ということも解説した。  そして、消費税廃止後の消費の推移をグラフで示したうえで「マレーシアの消費税廃止は正しい政策選択であった」と山本代表は結論づけた。 「消費税廃止で増えた消費は、間接税復活で減ったが、再び上昇に転じた。注目点は、間接税復活で減ったとはいえ、底(消費税廃止後、最も下がった時期)の消費額は消費税廃止前よりも大きいこと。税収不足分はさらなる所得税アップや、消費が増えたことによる将来の税収増で埋めることが可能だろう」  一連のデータを説明したうえで、山本代表は「マレーシアにできた消費税廃止が日本でできないはすがない!」と強調したのだ。  マレーシア視察報告をしながら消費税廃止を訴えるのは、山本代表の“定番ネタ”となっていた。札幌に続く翌25日の旭川での街頭記者会見でも、同じデータを大画面に映し出して説明。北海道ツアーを終えて、消費税が10%に上がった10月1日の新宿街宣でも、同じパターンで紹介していた。
次のページ
「消費税5%減税」を野党結集の旗印に
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会