NHKから国民を守る党、立花党首の動画を全て視聴してみた<N国徹底解剖・Part1>

「生活保護費は現金支給から現物支給へ」という公約を掲載していた

 そんなN国の1番の特徴は、公約が「NHKのスクランブル放送化(スクランブル放送とは、受信契約した人だけが料金を支払い視聴するシステムのこと)」だけということだ。そして立花氏は、公約である「NHKのスクランブル放送化」が達成されれば、議員を辞職しN国党も解党すると明言している。  立花氏は「NHKをぶっ壊す!」という言葉のとおり、(立花氏曰く)玄関先に貼っていればNHKの集金人が来なくなる効果がある「NHK撃退シール」の無料配布や、NHKに関する各種トラブルについて専門のオペレーターが対応する「NHKから国民を守る党コールセンター」を設置し、過激な発言のみならずこうした地道な活動で、NHKに対し不信感や嫌悪感を抱く国民からの支持を集めている。  一方で、立花氏による「NHKは犯罪組織」(2018/06/06)や「NHKの集金人がどれだけ怖いか。むちゃくちゃする。全員ではないが暴力団関係者を普通に使っている」(産経新聞 2019年8月2日)といった発言は、主語が大きく事実関係が不確定だ。  また、立花氏をはじめとした多くのN国党議員が、NHK集金人を動画で撮影しモザイクをかけずYoutube上にアップロードしており、一部で「人権侵害ではないか」といった批判を浴びている。  ワンイシュー政党と思われているN国党だが今年の8月2日ごろまでは、HP上に「生活保護費は現金支給から現物支給へ」というもう一つの公約を掲載していた。生活保護者に現金やバウチャーではなく衣食住などを現物支給し、公共の施設に入居してもらうという内容だ。 「貧乏人は一箇所に集めて管理しろ」と言っているようなこの公約は、生活困窮者に健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的として作られた生活保護制度の趣旨に反するものだ。  この公約は、現在HPから削除されているが、N国がかつてこのような主張をしていたことを忘れてはならない。

直接民主制の導入を目指している

 N国のもう一つの特徴は、インターネット投票による直接民主制の導入を目指していることだ。N国党の直接民主制とは、立花氏の動画(2019/09/04)によると、国会で議題に上がっている法案などについて、ネット上でアンケート(NHKのスクランブル放送化に賛成か反対かなど)を取り、賛成の場合は議員が国会で賛成票を投じ、反対の場合も同様にアンケート結果のとおりに議員は投票するものだ。  参院選後には、安倍内閣への支持や原子力発電、外国人参政権などのお題で「アンケートにご協力ください」という動画を多数あげている。実際に、2019年8月17日の動画内で「明日東京MXテレビに行くべき?」というアンケートを取り、13万9316人がアンケートに回答し、そのうち72%が賛成票を投じたため、直接民主主義に則り立花氏が東京MXテレビ前に抗議しに行った。  直接民主制を導入した際のN国党議員の仕事は主に2つ。1つ目は、アンケート結果に基づき国会で投票すること。2つ目は、政策提言を行いその是非を問うことだ。もちろんアンケートで反対という結果が出れば、提言をした議員はそれに従わなければならない。従わなければその議員を除名処分にするそうだ。 「公約がNHKのスクランブル放送化だけ」と「直接民主制」、この2つが、他の国政政党にはないN国党の主な特徴だ。  次回は、N国党所属議員の過去の発言について取り上げて行く。 <文/日下部智海>
1997年生まれ。明治大学法学部卒業。フリージャーナリスト。特技:ヒモ。シリア難民やパレスチナ難民、トルコ人など世界中でヒモとして生活。社会問題から政治までヒモ目線でお届け。Twitter:@cshbkt
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