環境省資料より、ジュゴンの目撃情報。2019年4月発表
最後に読者の皆さんにお願いしたい。ジュゴンを取り巻く状況はとても厳しいが、「沖縄のジュゴンは絶滅した」と早急な結論は出さないでほしい。環境省は今年4月、2018年度のジュゴンの生息状況についての調査結果を公表した。
その資料によると、8月22日、波照間島で親子と思われる2頭がヘリコプターから目撃された。写真等の証拠はないものの、沖縄のジュゴン保護に関わる人々にとって朗報であったことは間違いない。
世界遺産・今帰仁城址。筆者撮影
今後、死んだジュゴンの「B子母さん」は骨格標本として今帰仁村の歴史文化センターでの展示が計画されている。世界文化遺産としても有名な今帰仁城に隣接する施設だ。地球上で最も北に棲む「北限のジュゴン」が今も沖縄に生息していることを、全国の人々や子どもたちに伝え続けてくれるだろう。
いま、ジュゴンが生きられる海と環境を未来に残すことが叫ばれている。
<文/
幸田幸(フリーライター)>