さようならポケベル。94年生まれライターが、平成のサラリーマン「ポケベルあるある」を聞いてみた

ポケベルが半世紀の歴史に幕

 2019年9月30日に、日本で唯一ポケットベル(ポケベル)のサービスを提供していた東京テレメッセージ株式会社が、ポケベルのサービスを終了します。これにより、ポケベルが完全に過去のものとなります。  ポケベルと聞いて想像するのは1980年代後半から1990年代ですが、意外にもポケベルの歴史が始まったのはもっと前のことです。

NTTドコモ歴史展示スクエアより

 1968年7月に、日本電信電話公社(現・NTT)によって、東京23区内でサービスが開始。およそ25年間は、レンタルとして人々に使われており、1990年代半ばにNTTが打ち出した「端末お買い上げ制度」により初めて所有物となることで、爆発的な人気を博したとも言われています。 「ポケベルが鳴らなくて」(1993年、日本テレビ系列)といったドラマが放送されるなど、ポケベルは恋愛のツールという印象が強いですが、現実はそんなものではなかったという人もチラホラ。彼らに話を聞きました。

恋人ではなく、会社からしか鳴らなくて トホホホ

「“ポケベルが鳴らなくて”(ドラマ)は完全なフィクションです。掛かって来るのはいつでも会社からでしたよ」  こう話すのは、中国地方在住の原田さん(54歳)。約30年前の1990年代半ば、山口県にて営業マンとして車のディーラーに勤めていました。ある日会社から支給されたポケベル。ベルがなると、一気に仕事モードに切り替わったそうです。  何も通信機器がなかった時代に外回り営業をしている時は、個人の判断で比較的自由に休憩時間が作れたとのこと。休み時間は自己判断によってなので、オンオフの切り替えが主体的に出来ました。

NTTドコモ歴史展示スクエアより

 ポケベルが支給され始めると、会社側から「電話をください」と連絡がくるようになりました。中には日曜日に通知がくることも。休日に友人と喫茶店で話していて、一番盛り上がっているタイミングでベルがよく鳴ったとのことです。  電話機能は備わっていないため、ポケベルが鳴ると真っ先にしなければならなかったのは「公衆電話を探すこと」。当時はテレホンカードが必需品であり、原田さんは残り回数が切れたときのことを考え、予備の小銭も常備していました。  最後にサービスが終了するにつれて、心残りはありますかと聞くと、「ドラマで描かれていたように、あんな感じの使い方をしたかった」と話していただきました。
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ポケベルを取り入れる企業 その狙いは……?
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