たった1日の花見に5700万円使う安倍政権、千葉の災害に13億円。増税の前に「カネの使いみち」を厳しく監視しよう

駆け込み買いしたくても、そのカネがない

 10月1日に消費税が10パーセントになり、一世帯あたり年間3万円ほどの増税になる。増税になるのだから駆け込み需要が増えて経済は一時的にも加熱するかと思いきや、そういった気配はほとんどない。多くの人が言う。 「駆け込み買いしたくても、そのカネがない」――。  確かに9月20日に厚生労働省が発表した令和元年7月の毎月勤労統計調査(確定値、従業員5人以上)によると、実質賃金にあたる1人あたりの現金給与総額は前年同月比1.7%減と、速報値の0.9%減から大幅に下振れしていた。カネがなければ買いたくても買えない。当たり前だ。  この10月に消費税が上がることで、多くの識者は経済の下振れを予測する。  景気が悪くなれば、政府はさらなる経済へのテコ入れが求められるだろう。そのときに必ず出てくるのが、積極財政論者と健全財政論者の議論である。  積極財政論者は、とにかくカネをばらまいてでも景気のテコ入れをしろと言う。健全財政論者はそんなことをしていたら、財政破綻して国の経済がひっくり返るから辞めておけと言う。  最近、積極財政論者が勢いづいている。なぜならMMT理論などと言うトンデモ学説が出てきたからだ。世界中の政府が巨額の債務を抱えていて、これ以上の借金で経済のテコ入れをし続けるのには流石に無理があると考えざるおえない人たちに、こんな考えもあるよと出てきた、私に言わせれば悪魔のささやきのような考えだが、積極財政論者は飛びついた。これは簡単に言えば、自国通貨建ての債務であれば、さらに赤字財政を拡大させても経済成長が達成できる。そして、経済成長で債務を返済すればいいと言うもの。先送りを永遠に続けられそうな能天気な理論である。  だが、健全な財政を確保するためにと、この10月に消費税を上げるのは日本経済の景気の腰を折ることも確かだ。また、景気のことを考えて消費税の増税を先送りし続けてきたこともこれまた確かなことなのだ。  佐藤はどっちが正しいと思ってるのか? そう言われると、判断は難しい。どちらかと言うと財政健全論者なのだが、景気に深刻な打撃を与えていいわけがないとも思っている。ただ、確かなことは、国は我々から徴収した税金なのだから、予算を組むにしても、もう少し賢く使って欲しいと思うのだ。  まずは国の出す金の規模だけでなく、頭を使って支出しているかを監視すべきだと思うのだ。

もっと税金の使いみちを「監視」しよう

 例えば、2011年の東日本大震災に関連するもの。もちろん被災した人に手を差し伸べるのは国の仕事だ。国民の生命と財産を守ることは国家が第一にしなくてはならない。当時、福島、宮城、岩手の3県には多くの仮設住宅が建てられた。その数は約5万2000戸。それくらい必要だったのだろう。  当時、仮設住宅の建築費用について厚生労働省は、1戸あたり240万円程度といっていた。まあ、それくらいかかるだろうなと思った。ところが、実際は解体費用も含めて800万円かかっていると言うのだ。  800万円もかけるのであれば、仮設でなくそこそこまともな新築住宅が建てられたはずだ。それに、せっかく建てた仮設住宅を多額の解体費用(1戸あたり100万円)もかけてなんで壊すのか? 意味が分からない。何しろ、その後も日本では多くの自然災害に見舞われている。その度に多くの人が冷暖房もプライバシーもない、体育館などで何週間も避難生活を余儀なくされる。それは、熊本地震の時も、広島の土砂災害の時も、222人もの人命が失われた2018年の西日本豪雨の時も同じだった。  そして、熊本地震の時は亡くなった267名の犠牲者のうち、建物の崩壊などによる圧死など災害による直接死の人は50名で、残りの217名は震災関連死だった。震災の避難生活などによるストレスや、劣悪な環境もあって悪化した持病で亡くなってしまう人がそれほどいるのだ。  今回の台風15号による千葉県での死者も台風そのものでの死者はいなかった。にも関わらず、その後の停電による熱中症などで何人ものかたが亡くなった。  停電断水した場所に、多くの人を長期間も放置しておく理由が分からない。仮設住宅を壊さずとっておき、そこに一時的にも避難してもらえばいいのにと思うが、地元を遠く離れたくないというのもよくわかる。  日本はこれからも地震や台風など自然災害が起こる。その度に多くの人を体育館で何週間、ときには何ヶ月も生活させ、仮設住宅を800万円もかけて建てる。そして、用済みとともに壊す。そんな馬鹿げたことを繰り返すのはもうやめたほうがいい。  もちろん東北の仮設住宅に九州の被災者を収容しろと言うのは無理がある。それなら、仮設住宅が被害が起きたところに出向いていけばいい。  そこで、私は米国など欧米でよく見る、トレーラーハウスを仮設住宅として使うことを提唱している。
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貿易摩擦も災害対応も解決できるトレーラーハウス
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