国際結婚で韓国移住した日本人男性が直面したこと「住宅事情の違いに困惑」

 母国を離れ、海外に住む海外在留邦人数は年々増え続け、現在は135万人以上に上る。いったい彼らはなぜ海外に移住し、その後の生活はどのような苦労、楽しさがあるのか? 国際結婚を機に韓国に移住した男性にその体験談を聞いた。

日本とはまったく違う住宅事情

韓国の街角

日本とはまるで住宅事情が異なる韓国。高額な保証金が必要となるため、初期費用が少ないと生活は辛くなる

 海外で暮らすにあたり、遠い異国への移住が大変なことは想像するに難くないが、隣国へ移住すれば少しは楽だというものでもない。国際結婚がキッカケで韓国に移住したのは斉藤健氏(48歳・フリーランス)だ。 「妻と結婚したのは20年以上前。その後、10年間は日本で暮らし、『韓国に移住しよう』という妻の一言を発端に長男・次男・長女と5人でソウルに引っ越しました。妻が日本の生活になかなか慣れず苦悩する姿を見てきたので、移住の話があったときは、『自分が韓国で苦労するほうが、まだいいかな』と。実際に移住したら、想像を絶する苦労が待っていましたが……」  一番の障害は仕事だった。日本で勤務していた旅行会社のつてを頼ったが、移住したときには40歳過ぎ。「バイトで月給は十数万円」と言われ、絶句したという。幸い日本企業の在宅仕事が見つかったが、給料は大幅に下がった。 「移住したばかりの立場では社会的信用もなく、銀行などからお金を借りることもできませんでした。移住してから最初の一年間は正直、地獄を味わいましたし、精神的にも崖っぷちでしたね」  また、日本とはまったく異なる住宅事情にも困らされたという。 「住居の障害も大きかったです。韓国の賃貸システムは、大家さんに保証金を数百万円以上預けて、家賃を数万円程度にするか、保証金を1000万円以上預けて、家賃をタダにしてもらう仕組みになっています。最初にまとまったお金がないと、みすぼらしい家に住むしかなくなるんです。  私たち家族も、しっかり資金を蓄えてから移住したわけではなかったので、住むところがなかなか見つからず、最初の2年間は半地下のような物件に住んだのですが、環境は最悪でした」

いまだに食生活には慣れず

 海外では食生活の違いもネックとなる。移住するとなればなおさらだ。 「実は私は辛い物が苦手なので、食事の点ではいろいろ苦労しています。私が住んでいるところは、飲食店がたくさんあるエリアなのですが、大半が辛いものを扱っていて、その地理的なメリットを全然生かし切れていないのが、正直残念なところです。  ただ、もっと苦労しているのは、そんな私のために、わざわざ辛くない料理を準備している妻かもしれません。子供たちは韓国生活に慣れるなかで辛い物が大好きになっていきましたが、私は辛い物がダメなので、家の中ではかなりひんしゅくを買っていると思います」  すぐ隣の国で、なおかつ家族にその出身者がいても、こうして苦労するケースもあるのだ。斉藤氏は海外移住への憧れに理解を示しつつも、こう警鐘を鳴らす。 「実際に住んでみると、さまざまな現実問題が起こってきますし、想像以上に大変なことが本当にたくさんあります。ですので、漠然とした憧れ程度の段階であれば、旅行をする程度にとどめておかれるのがいいのかもしれません。でないと、私のように最初は死ぬほど苦労をすることになるかと思います」
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寛容なのは果たしてどちらか
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