高齢化社会が抱える「看取り難民」問題。このままでは「亡くなる場所」が不足する
3分の2が異業種からの転身。医師の診療業務が40%→70%へ改善
医師が診療に集中できるよう、安井氏が取り入れたのが、「在宅医療PA」だ。PAとはPhysician Assistantの略で、主な役割は、医師のサポートをすること。アメリカでは国家資格で、医療を支えている。安井氏はここから発想を得て、やまと診療所に合うよう、活動内容や教育体制を整えた。
効果は大きい。以前は、医師の業務は診療に加え、書類の作成や患者がどのような最期を迎えたいかの希望を聞いたり、そのための環境を整えたりすることも含まれていた。だが在宅医療PAの活躍により、医師がより診療に時間を充てられることになった。さらに、やまと診療所の在宅看取り患者数は2014年には93人だったが、2018年には279人にまで増加した。
安井氏が大切にするのが、チームでの医療だ。医師、患者、ケアマネなど関わるいろいろな人が協力して、生活支援や医療に取り組む。在宅医療PAは、患者の気持ちを汲み取り、チーム内に共有する。安井氏は「コンダクター(指揮者)のような役割」と位置付けている。
患者、家族が望む最期を迎えられるようサポートする
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