「俺は命を張ってでも反対する」カジノ誘致と闘う覚悟を示した“横浜のドン”

藤木氏の覚悟が、地元政治家や横浜市民を動かし始めている

江田憲司衆院議員

江田憲司衆院議員

 藤木氏の講演を聞いていた地元選出(神奈川8区)の江田憲次衆院議員は、直後の挨拶でこう切り出した。 「『死んでも阻止する』とテレビで報道されて、感動を呼んでいます。主婦の皆さんが見て『久しぶりに本当に感動した』という声が多く寄せられている。われわれ政治家も、それだけの覚悟を持ってやらないといけないと思いました」  続いて江田氏は、カジノ阻止に向けた横浜市民との連携も呼び掛けた。 「これは普天間飛行場の辺野古移設と同じです。(安倍政権は)何を言っても強行してきます。『これをどうやって止めていくのか』という意味で今日、『あらゆる手段を駆使して阻止しよう』とい緊急アピールを出しました。  そのあらゆる手段は皆さんがお決めになる。我々が出しゃばって決めることではありません。まさに横浜市民が決めていただく。幸い、あちらこちらで今日みたいな会議があり、声が上がっています。  口先や空理空論ではない、本当に地に足をついて反対をされている藤木会長。(集会参加の)皆様もそうだと思います。とにかく我々の横浜の将来、我々の子や孫の将来を真剣に考えれば、『横浜カジノ誘致』という選択は絶対にありえないと思います。皆さんとともに頑張りたいと思います」(江田氏)  藤木氏の訴えが、国会議員を触発しながら横浜市民の間に広がり、カジノ反対の気運が急速に盛り上がっている。林市長のカジノ誘致表明で「このままでは横浜にカジノができてしまう」と危機感を持った人々と、「ハードパワー」として推進しようとする安倍政権とのバトルが熱を帯びてきている。 <文・写真/横田一>
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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