アリペイとの連携で集客増も。キャッシュレス決済と連携して存在感を増す地域通貨

地元の小さな商店にもきめ細かく普及している「さるぼぼコイン」

中国のアリペイと提携、外国人観光客の利用も

 さるぼぼコインは’17 年12月に始まり、現在までに加盟店舗946店、6億8688万2000コインがチャージされている。 「クレジットカードやPayPayなどの各種キャッシュレスサービスが使えない、おじいさんおばあさんが営んでいるような小さな店でもさるぼぼコインは使えます。飲食店などの仕入れなどBtoBで取引する場合の手数料は0.5%と低く、できるだけ日本円に換金しないほうが安くなります」(同)  この地域で一気に普及した地域通貨に目をつけたのが、中国の大手決済サービスAlipay(アリペイ)だ。 「アリペイの担当者が来日されたとき、この地域にQRコードが掛かっている店がたくさんあることに驚いて、アリペイと同じ仕組みということで、さるぼぼコインにとても興味を持たれたんですね。『中国とまったく同じ決済が何百店舗もできる地域なら、送客する』ということで、今年2月に契約したんです。この地域には、年間約55万人の外国人観光客がやってきます。これから外国人用アプリもつくっていく予定です」

「さるぼぼコイン」一地域での地域通貨の浸透率では驚異的な高さを誇る

【さるぼぼコイン 岐阜県高山市・飛騨市・白川村】  飛騨地域限定の、スマホアプリ上で利用できる電子通貨。100円のチャージごとに1%のポイントがつき、各加盟店舗でのポイント利用のほか、市役所での窓口手数料、市税の支払いなどにも使える。さらに助成金や補助金、生活保護をさるぼぼコインで出すなどの検討が始まっている。GPS連携、割り勘機能、アプリの外国語対応など、さまざまな利便性の向上に取り組む。「さるぼぼ」とは、岐阜県飛騨地方で昔からつくられる、猿の赤ん坊を模した人形のこと。

飛騨・白川郷

― 意外とイケる地域内通貨 ―
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