話を聞いたのは5人の在日アメリカ人。日本語も話せるので、まずは前後のやりとりを含めたトランプ大統領のコメントを見てもらい、なんと訳すか聞いてみた。
「この
“Just left”の前には本来なら“I”が入るんだけど、それを略しているからね。『私はさっき去った? 別れた? 安倍首相と』って意味だよ」(Eさん・36歳・ケンタッキー州)
「
『ちょうど安倍首相と別れたところ』ってことだね」(Cさん・34歳・オハイオ州)
残りの3人も概ね回答は同じで、残念(?)ながら
「朝日新聞を左翼認定!」と答えた人はいなかった。
そこで、そんな日本の一部ネットユーザーの解釈についてどう思うか聞いてみると、なんとも辛辣な答えが返ってきた。
「
オー・マイ・ゴッド、なんてバカなんだ。トランプの支持者と一緒だよ。どんなにありえないことでも、自分たちの考えに当てはめるために何でも捻じ曲げてしまう。救いようがないね」(Pさん・38歳・カリフォルニア州)
「
完全に間違ってる。
どんなニュアンスでも、この“Left”を『左翼』って訳すのは不可能だよ」(前出・Eさん)
「
よお、ファシスト。まずは英語を勉強してから出直してこいバカタレ」(Aさん・34歳・カリフォルニア州)
「そもそも、
トランプみたいなやつが『朝日新聞』なんて知ってるわけがないだろ。自分が好きなもの以外の知識なんて何もないやつなんだから。まったく何を考えてるのか……」(Jさん・36歳・ワシントン州)
と、「朝日新聞を左翼認定説」が間違いであることを指摘するばかりか、その無理な解釈の仕方に苦言を呈する始末だった。
これだけあきらかな誤訳で、英語ネイティブから間違いを指摘されても、珍訳を信じ続ける人たちがいなくなることはないだろう。しかし、そんな騒動の発端となった8月末のG7、そして夏休みも終わり、世間は新学期に突入している。今後、こういった恥ずかしい間違いを「世界に拡散するべき!」と叫んでしまわないよう、まずは英語の勉強を始めてみるのもいいかもしれない。
<取材・文/林 泰人>