自殺未遂、ハンスト……。入管に収容された外国人たちが、命をかけて訴えるもの

再収容され、再びハンストに戻る

 その後、サファリさん駒井弁護士が面会に来た際、「出頭の日、来てくれた人に戻って『ありがとう』を言うことができなかった。そのことが心残だった」と伝えたそうだ。  デニズさんの妻も、筆者との電話でのやりとりで付き添ってくれた人たちに対し感謝の気持ちを述べた。 「私たちは夫婦なのに、引き離されることが非常につらい。日本に来る外国人には、日本へ来てよかったと思ってもらえるようになってほしい」  サファリさんとデニズさんは、再収容された日に、再びハンストを開始した。

「残るも地獄、帰るも地獄。もうどうしたらいいのかわからない」

入管法イメージ ビロル・イナンさんもまた、ハンストをして8月9日に1年8か月ぶりの解放となった。しかし8月13日、仮放免延長の期間を確認しに行ったところ、「来週の21日まで」と、わずか1週間しか延長してもらえなかった。  同じように解放されても、次々と再収容された人たちがいることを知っているイナンさんに希望はない。やっとの思いで解放され、3人の子供たちも心から喜んでいたのに、また離れ離れになってしまう。妻は「また夫が収容されたら、私と子供たちはもう死んでしまう」と涙ながらに訴える。イナンさんは「子供が3人いようが入管には関係ない、私は捕まるだろう」と、表情はとても暗かった。  トルコでは、クルド人であることでゲリラの疑いを持たれていた。ジャンダルマ(憲兵)が「銃はないか、クルドの旗はないか」と家宅捜査に来ることがあったという。クルド人を嫌うトルコ人に、集団で殺されてしまった親戚もいた、「しかしあまりこういう事件は公にはならない」とイナンさんは肩を落としていた。 「残るも地獄、帰るも地獄。もうどうしたらいいのかわからない」(イナンさん)
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小4の長男は「せっかくお父さんが出てきたのにまたいなくなってしまう」
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