老後に2000万円必要!? どう資産形成すればいいのか
年金制度が揺らぐなか、老後は年金だけで生活できるのだろうかと不安に感じている人も多いのではないだろうか。
金融庁が今年6月にまとめた報告書によると、老後30年間で約2000万円の資産が必要になるという。本来は、一人一人に十分な年金を支払えるよう、年金制度を見直すのが政治の役割であるはずだ。個々人の自助努力を促すことは、社会保障費の削減を容認することにもなりかねない。
とはいえ、自衛のためにも、貯金を増やしたいと思っている人も多いだろう。 そんな中、8月9日に「子供にも伝えたいお金の話ー本から学ぶお金の考え方ー」と題したイベントが開催された。
ライフスタイルに関わる企画を中心に、場をデザインする
株式会社はじまり商店街の小野寺真子氏が、お金の貯蓄の仕方や大切さについて語った。
お金はなくてはならないもの。この認識は誰もが持ち得ていることだろう。しかし、お金に対する感じ方は人それぞれ違う。
ある人にとって、お金は価値の象徴。別の人にとっては、お金はやりたいことを実現する手段や道具。お金に対するイメージは、ライフスタイルやバックボーンによっても変わってくるのだ。
「お金に対する感じ方には答えがない。ただ、物の需給バランスや時代によっても値段が変動したり、人のお金に対するイメージも変わる」と小野寺氏は説いた。
日本の高度経済成長期は、銀行に貯金しているだけで収入が増える時代だった。25年前は金利が7%つく時代だったのだ。しかし今では、金利が0.02%になっていて、とても資産形成できる状況ではない。
金利が7%の時代は、約10年で資産が2倍になった。しかし、金利が0.02%では約5000年かかってしまう。
「戦後は国が将来を保証する有用な金融商品を用意していた。しかし現代では、日本経済の成長の鈍化により将来を保証する金融商品が存在していない。これからは、かつての日本と同じような金融政策をしている海外のオフショアに注目すると良い」(小野寺氏)
海外にはオフショアと呼ばれる、税がない国、またはほとんどない国が存在する。2019年4月の時点で、経済成長著しいBRICsの国である中国で4.35%、インドで6%、ブラジルで6.5%、ロシアで7.75%の金利になっている。
このように、世界へ目を向ければ一昔前の日本のような高利回りの金融商品が存在している。情報として知っているのと知らないのとでは、資産形成に大きな差が生じてしまうだろう。