2020年4月1日から、日本全国のパチンコ店は禁煙化される。
何度か本サイトにも寄稿しているが、これは受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が全面的に施行されるためだ。
2018年7月に成立した改正健康増進法により、段階的に公共施設や教育・医療機関の禁煙化を推進し、来年の4月からは、オフィスや飲食店、ショッピングモールやスーパー、娯楽施設等、不特定多数の人が行き来する屋内において(一部狭小な店舗を除き)全面的に禁煙化されることになる。
ちなみに、iQOSやglo、Ploom TECH等の加熱式タバコも対象になる。(詳細な禁煙ルールについては、
日本たばこ産業株式会社のページを参照)
パチンコ店において、全面禁煙化は死活問題である。
JT等の調査によれば日本における成人喫煙率は20%未満であるが、ことパチンコ店に限って言えば来店客の6割以上が喫煙者であるというデータがある。
ただでさえ遊技人口が右肩下がりの現状で、更に喫煙者の来店が減少するようなことがあれば、立ち行かなくなるパチンコ店も出てくるだろう。
ある業界関係誌の来店客アンケートによれば、パチンコ店が禁煙化されたら、「行く回数が減る」、「行かなくなる」が、「変わらず行く」を大きく上回っている。ギャンブル等依存症問題で様々な対策を講じなくてはならないパチンコ店において、この禁煙化も「今そこにある危機」に他ならない。
パチンコ店は禁煙化が実施される来年4月以降に大きく3つの選択肢から実施方法を選ばなくてはならない。
1)ホールを完全禁煙化にする
2)屋外に喫煙所を設け、ホール内では禁煙とする
3)店内に喫煙ブースを設置する
※多層階店舗の場合は、要件を満たせば階ごとに「喫煙フロア」、「禁煙フロア」を分けることは可能。
パチンコ店経営者や店長らに聞くと、多くのパチンコ店では、3)の喫煙ブースの設置を計画しているところがほとんど。改正健康増進法により屋内施設の禁煙化が実施されても、喫煙ブースの設置は許されている。かなり細かなこの技術的要件を満たしている喫煙ブース内であれば、屋内でも喫煙することが可能だからだ。