2015年が明けてすぐ、1月1日に82歳でその生涯を終えたマリオ・クオモ元ニューヨーク州知事。
アメリカの各メディアは大々的にその訃報を伝えた。特に目を引いたのは、「元ニューヨーク州知事にしてリベラルの灯台 マリオ・クオモ 82歳で死去」と題したNY Timesの特集記事だ。
”Mario Cuomo, Ex-New York Governor and Liberal Beacon, Dies at 82” http://www.nytimes.com/2015/01/02/nyregion/mario-cuomo-new-york-governor-and-liberal-beacon-dies-at-82.html?_r=0
しかし日本では、あまりその存在を知られていないためか、各紙の訃報とも死去の事実を小さく伝えるにとどまった。
人種的マイノリティーであること(クオモの両親はイタリアからの移民で英語ができなかった。またクオモはアメリカ政界ではとかく白眼視されるカトリックの信者であった)や、小さな弁護士事務所の弁護士であったこと、そして政界デビューのきっかけが市民運動であったことなどを含め、彼のキャリアは、オバマ大統領のキャリアに似ているところが多い。
似ているのは、キャリアだけではない。
クオモもまた、オバマ大統領と同じく、政界きっての名演説家として人々の記憶に残った。彼の演説は行く先々で人々の心をつかみ、大統領選への出馬をなんども期待されたのだった。