魅力たっぷりな地中海リゾートの歴史と世界遺産<心ときめく楽園イビザに恋して1>

魅惑の地中海リゾート「イビザ島」

 地中海に浮かぶスペインの「イビザ島」。世界中から多くの音楽好きが集結する「パーティアイランド」という印象が強い。世界的に有名なDJのかけるクラブミュージックに酔いしれ、ナイトライフを謳歌できるのはイビザの最大の魅力だ。  一方で、イビザには他にも見どころが沢山ある。地中海の陽に照らされて輝く蒼い海でのバカンス、世界遺産に登録された歴史地区の散策、イビザの伝統料理や白い服が象徴的なアドリブファッション……。そう、イビザならではの魅力が島中あちこちに散りばめられているのだ。  今回は、海外旅行ガイドブック「地球の歩き方」でイビザ島特派員をしている今岡史江氏にイビザ観光を指南してもらった。イビザ初心者やこれから訪れてみたい人にとってはぜひ目を通していただければと思う。

イビザの歴史について

 イビザに来て早速パーティや綺麗なビーチへ……。と行きたいところだが、イビザの歴史について前知識を入れておくと、楽しみ方が変わる。  今岡氏は、「イビザはかつて、スペイン本土へ航海する中継地として使われた。紀元前7世紀にフェニキア人がオリーブや塩、ワインを持ち込み、居住地としてイビザで生活を送るようになり、今のイビザの礎を築いた」とフェニキア人がイビザを語る上で外せない存在だと語った。  フェニキア人がイビザに居住するようになって以来、カルタゴ人やローマ人、アラブ人など様々な人種が占領しては居住することを行っていったという。1235年にレコンキスタ(国土回復運動)により、スペイン王国が占領し現在に至る。古代ローマやイスラム文化、そしてカトリック文化。実に、多様な宗教や文化がイビザの歴史を刻んできたのだ。  イビザの街並みは、居住する人種によって変遷を重ねてきたとも言えよう。こういったDNAがイビザの「何でも受け入れる」気質に繋がっているのかもしれない。
次のページ
ヒッピー文化の台頭とクラブカルチャーの隆盛
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会