さてこうやって並べてみると、明らかに中国政府の米国に対する姿勢が8月5日から「強硬」に転じており、米国もそれに合わせて「さらに強硬」となってくるはずである。
つまり8月5日をもって、米中通商戦争も「新たな段階」「
さらに強硬な政策が米中双方から打ち出される段階」に突入したことになり、それなりに身構えておく必要がある。
その理由もある程度は説明できる。中国では習近平国家主席が中国共産党長老と顔を合わせる北戴河(ほくたいが)会議が8月3日から行われていた。これは非公式な会議ではあるが中国の基本戦略を決める(正確には習近平が中国共産党長老の許可を得る)重要な会議である。
そこで「米国とは徹底的に戦え」という基本戦略となったはずである。中国共産党長老の中では保守派(強硬派)の代表だった李鵬元首相が先日亡くなっているが、江沢民を中心とする共産党長老全体の「意向」はやはり保守的(強硬)だったことになる。
これは同時にデモが続く香港に対しても、中国人民軍の出動など強硬策がとられる可能性が高まったことになり、第2の天安門事件となる可能性まである。
日本も、まだまだ気を緩めてはならない状況が続くはずだ。
<文/闇株新聞>
‘10年創刊。大手証券でトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった後、独立。証券時代の経験を生かして記事を執筆し、金融関係者・経済記者などから注目を集めることに。2018年7月に休刊するが、今年7月に突如復刊(
「闇株新聞」)。有料メルマガ配信のほか、日々、新たな視点で記事を配信し続けている。現在、オリンパス事件や東芝の不正会計事件、日産ゴーン・ショックなどの経済事件の裏側を描いた新著を執筆中