「HafH」の公式サイトより
一つの住まいから多拠点生活へ。近年、一つの定住先だけでなく、地方や田舎にも住居を構え、都心と行き来しながら生活を送るライフスタイルに注目が集まりつつある。
二拠点あるいは多拠点に住居を持ち、暮らすように旅をする生活やデュアルライフといった考え方が広まり、働き方改革の流れからリモートワークや副業推奨などワークスタイルも変化してきている。自分らしい住み方を創っていける時代になったと言えるだろう。
7/18に開催されたボッシュ株式会社とNPO法人グリーンズによる共催イベント
「green drinks Shibuya 『住み方の自由』を考える」には、多拠点コリビングサービス「ADDress」代表の佐別当隆志氏やサブスク型住居サービス「HafH」を運営する株式会社KabuK Sytleの大瀬良亮氏、東京と三浦の二拠点生活を実践しているサービスデザイナーの加形拓也氏らが登壇した。
住み方の自由を提案するサービス事業者からの視点や、二拠点生活を実践している当事者目線での意見をもとに、新しい住み方について考えを深める機会となった。
住みたい場所に自分の「居場所」を作り、お気に入りの自由を過ごす
佐別当隆志さん
最初に、多拠点コリビングサービス
「ADDress」代表の佐別当隆志氏が登壇。
日本全国に点在する空き家や遊休別荘をリノベーションし、月額4万円で泊まることができるADDressは、拠点の中から好きな場所に滞在して、仕事をしたり家族と過ごしたりできるのが特徴だ。
「ユーザーのライフスタイルに合わせて、気軽に生活拠点を変えることができる。選んだ場所で地域の人とお気に入りの自由を過ごすことで、新たな気づきや出会いのきっかけになる」と佐別当隆志氏。
ADDressが掲げるコリビング(co-living)は、コワーキング(co-working)と違って住職一体型だということ。まさに、仕事のみならず、暮らしもシェアすることで交流が盛んになったり、地域とのコミュニティ醸成につながるわけだ。
「テクノロジーの進化で世の中は便利になっていく一方で、住まいだけは1人1住所と旧態依然とした現実がある。多拠点居住という新しいライフスタイルが広まれば、都市部に集中することなく、地方にも人が流れる分散型の社会ができる」
空き家は全国に800万戸に上るという。一軒家や別荘やペンション、企業の保養地など、空き家になっている物件が点在しているのだ。こうした物件をリノベーションして再活用するADDressは、空き家問題を解決する手段になり、かつ自分の新たな居場所を見つけることができる。
「今後は多拠点生活を推進するために、移動にかかるコスト削減についてもANAなど交通機関との提携を予定している。交通費の定額制を導入して、住みたい場所にいつでも移動できる世の中にしていきたい」と佐別当氏は今後の豊富を語った。