YouTubeの産経ニュースチャンネルより
こんにちは。微表情研究家の清水建二です。7月22日に、雨上がり決死隊の宮迫博之氏とロンドンブーツ1号2号の田村亮氏らが特殊詐欺グループとの間で行った闇営業に発する一連の騒動を受けて、吉本興業・岡本昭彦社長の会見が行われました。
本日は、会見時の岡本社長の言動から心理を考察したいと思います。
分析に用いた動画は、
【A】
【ノーカット前編】吉本興業 岡本昭彦社長が会見 (19/07/22)、【B】
同後編 及び、【C】
宮迫博之、田村亮 会見提案も 吉本社長「全員クビにするからな」【日刊スポーツ】です。
結論から書きます。
岡本社長は、芸人ファーストというポリシーを忘れていた自分に恥じ、今回問題を起こした所属タレントらとコミュニケーションが適切にとれなかったことを起因に問題がより大きくなってしまったことに自らの至らなさを痛感している、と考えられます。
しかし、同時に問題を起こした所属タレントらとのやりとりにおいて、自身が放った言葉の真意や意図を全て明確に説明することは難しいとも感じている、と考えられます。
分析の根拠は次の通りです。
岡本社長は大事なものを失った喪失感をおぼえている?
岡本社長は会見の随所で、ポリシーである「芸人ファースト」「笑いの絶えない社会をつくる」ためには、所属タレントが自分らしく活躍でき、生きていくことが出来る環境を用意することが大切であり、その根本には信頼関係が必要であることを述べています。
しかし、コミュニケーション不足によりその信頼関係が揺らぎ、今回の事態に発展してしまったと説明しています。
こうした説明をしている岡本社長の顔には、
悲しみ表情や恥表情(【A】:
44:45~、同
52:30~、同
1:05:03~など)が何度も浮かびます。
何度も浮かんだ悲しみ、恥表情 (産経ニュースチャンネルより)
特に一連の問題の対応について明石家さんま氏や松本人志氏らに「芸人のことを考えてやって欲しい」と諭されたり、今後のサポートの申し出を受けたことを説明する場面では(【A】
46:30~)、その様子を涙ながらに語っています。
悲しみ感情というものは、
大切なものを喪失したときに生じます。この感情の働きから、岡本社長の心には、忘れていたポリシーや本当に大切にすべきことは何だったのかが思い出され、それを実現してくれる所属タレントらの想いを受け止められず本当に申し訳ないと思ったのではないかと考えられます。
岡本社長のいくつかの悲しみ表情には、眉の内側が引き上げられる動きが伴われています。これは意図的に動かすことが難しい表情筋の一つです。このことから会見中の悲しみ感情は真実の可能性が高いと言えます。