27歳で50万を5000万円に!? 若き兼業投資家が注目する「恐怖指数」とは

 日経平均は平成最後の4月相場で2万2000円を回復したものの、その後下げ調子。米中衝突で主要通貨も下げ基調。買えば儲かる金融商品はまず見当たらない。こんな状況で稼ぐには売りしかない。下げ相場でも稼ぎ倒すカラ売りマスターたちの手法を魂に刻むべし!

イラスト/平戸三平

恐怖指数で資産5000万円!? リスクオフに備えたVIX売り

「最近はイベントがないため、令和関連銘柄をカラ売りしていました」  そう話すのは兼業投資家のあやたか氏。会社員として働きながら、元手50万円から約5000万円の資産を築いた27歳のスゴ腕だ。 「投資を始めたのは’12年。最初はバリュー株投資への中長期投資でした。アベノミクス株高が追い風になったこともあり、3年ほどで1000万円まで資産を増やすことができた。でも、自分に投資センスがあるとは思いません。人よりも優れた点があるとすれば手法の数、でしょうか」  バリュー投資から始めたあやたか氏だが、短期取引やカラ売りにも手を伸ばしていき、独特な着眼点から新たな手法を次々に生み出していく。 「例えば、ノーベル賞関連銘柄のカラ売り。ノーベル文学賞の発表が近づくと村上春樹さんの受賞期待で文教堂などの関連銘柄が買われやすくなります。しかし、村上さんが受賞できないと失望売りが出る。だから、発表前に高値をつけたらカラ売りしていました。今は債務超過のため信用取引に規制がかけられてしまいましたが……」  当初は株式市場を主戦場としたあやたか氏だが、現在のメインは違う。 「ターニングポイントとなったのは’16年。VIX指数との出合いです」

VIX指数が急騰しても通過すればすぐに落ち着く

 米国の代表的な株価指数であるS&P500をもとに算出されるVIX指数は別名「恐怖指数」。金融市場がリスクオフになれば上昇する。 「VIX指数を知ったのはEU離脱を問う英国民投票の直前でした。当時は『残留だろう』というムードでVIX指数が上昇していました。そこで試しに売ってみたところ、まさかの離脱となりストップ高に。ところが、翌日には材料出尽くしで下落したんです」  イベントでVIX指数が急騰しても通過すればすぐに落ち着く―英国民投票での値動きから、あやたか氏はチャンスの匂いを嗅ぎ取った。

VIX指数は平時は10~20ポイントで推移しているが「〇〇ショック」などの金融不安が発生すると一気に急騰。リーマンショック時には瞬間的に90ポイント近くまで上昇した

「VIX指数は急騰することがあっても高止まりすることはない。もとの水準へと戻ります。つまり資金管理をしっかり行えば、イベント時の急騰を狙った売りが有効だと思ったんです。この戦略を実行できたのが米大統領選挙。トランプ当選のサプライズでVIX指数は急騰しましたが、やはりすぐに落ち着いた。少しずつ売り上がっていたポジションが功を奏しました」
次のページ
VIX指数のチャートは独特
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会