大阪のラブホテル料金から見る、「街の個性」<ラブホテルの地理学>

平日に行くべきラブホ、休日に行くべきラブホ

 次に、宿泊料金について見てみよう。次の図は、各ラブホ街の宿泊料金の分布を表したものである。
各ラブホ街の宿泊料金

各ラブホ街の宿泊料金

 料金は平日と休日で異なるが、平日にチェックアウトする場合は6000円ほど、休祝日にチェックアウトする場合は8000円ほどが相場となっている。平日と休祝日の差は2000円ほどだが、《難波》や《梅田》ではその差が大きく、《阿倍野》や《上本町》では差が小さい。休みの日に泊まるなら、《阿倍野》や《上本町》のほうがお得と言えるかもしれない。  このグラフをよく見てみると、料金の下限と上限では微妙に傾向が異なることが分かる。平日の場合で言えば、最低価格帯はどのラブホ街でもおおよそ4000円前後である。しかし、最高価格帯を見てみると、約10000円の《難波》から約6000円の《京橋》まで、かなりの開きがある。すなわち、安いラブホに行くならばどのラブホ街でもそれほど差はないが、高級なラブホに行くならば、《難波》や《梅田》など、規模の大きなラブホ街に行ったほうがよいということである。

ラブホ街にも南北格差がある?

 今回は最寄り駅によってラブホ街を分類したが、実際は同じ駅圏の中でも、エリアごとに微妙な価格差が存在する。例として《難波》での料金を見てみよう。
《難波》の料金

《難波》の料金

 《難波》は最も多くのラブホテルが集中するエリアだが、北と南では明瞭な料金差があることが見てとれる。とりわけ、赤枠で囲ったエリアの料金が高い。ここは、江戸時代の難波に存在した「南地五花街」の一つ、「九郎右衛門町」に相当する場所である。現在も道頓堀から続く歓楽街の一角にあり、大阪市でも屈指のラブホテル激戦区となっている。一方、南側は阪神高速道路(緑線)によって繁華街から隔てられ、Aに比べると人通りはかなり少ない。その結果、北側と比べて料金は安価なものとなっている。
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交渉次第で安くなるラブホも
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