警察官から解放され、ようやく寿司にありつけてご機嫌のトランプ&金正恩(のそっくりさん)
前回お伝えした通り、金正恩およびドナルド・トランプのそっくりさんと一緒に韓国大使館近くを散歩していたらこってり絞られた筆者と担当編集者だが、幸い逮捕は免れた。ただし、「駅に入るまでは同行させていただきます」と十人近くの警官が我々一行を囲み、麻布十番駅に押し込むまでは絶対に放免してくれない勢いであった。
ただ、「トランプ」はすでに齢60を過ぎ、しかも肥満体で決して健康状態がよいとはいえない。歩くのも苦痛そうに見えたので、「タクシーを拾ってはいけませんか?」と筆者が聞くと、「では、タクシーに乗るまで確認します」ということになった。こうして一行はタクシーに乗り込み目黒の回転すし店に入り、騒ぎをおこした反省会をすることにした。
「金正恩」ことハワードXはハノイの会談に先立って現地入りし、国外退去処分を受けた。
筆者は「ビザを見せてくれ」と言った。彼が正規のルートで入国したのか確かめたかったのだ。するとおもむろに彼はパスポートを取り出し、「本名を写さないなら」という条件でビザを見せてくれた。確かに今年2月19日から3月19日までの一か月有効なビザで入国していることがわかるが、ご丁寧に「Cancelled」のスタンプが押印されている。
ハワードXのベトナム入国時のビザ。強制退去を示す「Cancelled」というスタンプが押されている
ベトナムで問われた罪は「金正恩に似過ぎていたこと」
「オレがベトナムで犯した罪はただ一つ、
生まれつき金正恩と似すぎていたことだけだ」
ハワードXは入国の際には人民服を着ていなかったが、到着数時間後に「トランプ」と市内で「首脳会談」を行い、市民はもちろん、50〜60人の報道陣も集まってきて、一時間もしないうちに全世界にニュースが配信されたという。ただ、2時間後にはホテルから「警察があなたのことを探していましたよ」と知らされたという。
「だけど、ベトナムの人はオレたちのことを気に入ってくれたよ。実際、LCCのベトジェットを含め、いくつかの広告のオファーも来たしな。でも国外退去になってしまった」
しかし、ハワードXも、デニス・アランも、いかなる意味でもベトナムに対しての悪感情は持っていない様子だった。
「警察官もどこかの国と違って親切だったよ。“すみません、これは私の意志ではないんです。全て上の命令なんです”と申し訳なさそうにしてくれたし、形式上の取り調べが終わったらみんなオレ達とセルフィーを撮ろうとしていたしな。韓国でもそうだったよ」
そういえば、彼は平昌五輪にも出現し、「北朝鮮美女応援団」の前を通りかかっていた。そのとき、彼女たちはどんな反応だったのか?
「オレを見た瞬間、こんな表情になったり(と口を大きく開ける)こんな表情になった(と口元と目元を歪める)のもいたな。国の性格上、笑うわけにはいかないんだろうな」
全世界のニュースの震源地に姿を現し、一騒動を起こし続ける「金正恩」と「ドナルド・トランプ」だが、ハワードXは、
つい先日香港で行われた大規模デモにも参加していた。