続いて、「ピーターの法則」で無能化してしまった上司の見分け方を分析してみよう。
他責する
「あいつは言ったことができない!」「クライアントが悪い!」など、自分が仕事をできなくなった理由を、部下や環境のせいにし始めた人は無能化している可能性がある。
これまで結果を出してこられた人が、結果を出せなくなってきたことに対してのフラストレーションの表れだ。それを、自分の責任として周りに相談するのでなく、部下の責任にしているともう無能化している。
アイデア批判しかしない
部下が持ってきたアイデアを批判だけして、改善案を提示しないのは、無能化が始まっている可能性がある。アイデアを批判するのは仕事をしているように見せることができるが、チームや組織の生産性を高めることには繫がらず、下げてしまう可能性すらある行為だ。
指遊びや動作が増える
無意味に机をトントンと叩いたり、音を出す、ため息をつくなど、周りに対して忙しくしているアピールをするようになると、無能化が始まっている可能性がある。
時間や体力だけを消費して仕事をしたと感じている。ローレンス・J・ピーターは上の空で中空を呆然と見ていると末期だと言及している。仕事ができない人ほど、椅子をクルクル回しながら空中を見つめて考え事(呆然と)していないだろうか。
では、無能化が始まった人はどうすればいいのかというと、想像のとおり降格することだ。
もちろん、降格することで給与や周りからの目など不安材料は多いだろう。ただ、自ら降格を選択する前に周りの評価で降格させられたほうが悪影響が大きいはずだ。
「使えない」と思われるのか、「合わない」と思われるのかは、どう降格するかに依存する。自分に合わないと思ったら、「無能」のレッテルを貼られて職業人生が終わってしまう前に、適任の人間の可能性を広げるためにも、自己選択で役職を戻してもらうほうがよいだろう。
【参考文献】
『ピーターの法則 「階層社会学」が暴く会社に無能があふれる理由』ローレンス・J・ピーター