沖縄の最前線にいた男が見た「香港200万人デモ」
民主主義の最前線で感じた「大人たちの失敗」
日が暮れると、会社帰りの者や作業着姿の者も多く合流し、市民側の数が圧倒的に膨れ上がった。 膠着状態に入った。警察もこれ以上は手が出せないようだ。 隣で建設中の高層ビルの足場に香港特有の竹が使われていた。元とび職としても驚いたが、市民たちはその資材を器用に使いバリケードを築き始めた。 香港を象徴する摩天楼の圧倒的なきらめきのなかで、市民と香港警察は50mの距離を取り、対峙していた。 美しさとやさしさと、時折混じる異様な暴力。映画よリも映画的な光景の中に、僕は放り出されてしまった。 周囲では疲れ果てた黒づくめの若者たちが路上に寝転がり始めた。生まれて初めて催涙弾を浴びた先日の香港、デモの様子。
— 大袈裟太郎💿おだやかTARO (@oogesatarou) 2019年6月15日
その酷さを2分20秒にまとめました。
青年たちのやさしさと、介抱してくれた15歳の少女たちのために、
相手がアメリカだろうと中国だろうと日本だろうと、
国家対個人ならば、僕は常に個人の側につき続けることを心に決めました。#反送中#香港 pic.twitter.com/jqZxcr4Rga
「日本からありがとう」と市民たちは次々に言った
おおげさたろう●1982年生まれ。本名、猪股東吾。リアルタイムドキュメンタリスト/現代記録作家。ラッパー、人力車夫。2016年高江の安倍昭恵騒動を機に沖縄へ移住。やまとんちゅという加害側の視点から高江、辺野古の取材を続け、オスプレイ墜落現場や籠池家ルポで「規制線の中から発信する男」と呼ばれる。 2019年は台湾、香港、韓国、沖縄と極東の最前線を巡り「フェイクニュース」の時代にあらがう。2020年6月よりBLM取材のため渡米。
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