「民主政治が驚くほどの速さで後退している気がしています」―岐路を迎える香港の「高度な自治」

アジアの市民社会にとっての「ハブ」であり続けたい

 政治運動が息詰まりとなっていることは確かだろう。人々は今後どのような形で抗議運動を起こしていけばいいのだろうか。  タンさんにとっては、大規模な抗議活動だけがその答えではないという。 「政治問題だけでなく、住宅供給に関する問題や労働問題など、社会問題も依然として重要です。政治システムを変えることができない今、私たちにできることは、それぞれが(身近な)社会問題の解決に取り組み、力を蓄積することです」  香港や台湾などが1国2制度に基づいた自治を維持し続けられるか否かは、世界全体の民主主義の行く末に影響を与える重要な問題だ。  タンさんは、「歴史を振り返ると、香港は東南アジア諸国にとって『比較的自由な』環境を享受し、社会運動の中心地となってきました。私たちは、これからもアジアの市民社会の『ハブ』であり続けたいと思っています」と力を込めて語った。 <取材・文/鷲見洋之 Twitter ID:@abc_fgh> すみひろゆき●大阪外国語大学スウェーデン語科卒。大学在学中にカルチャーマガジン「Radio Tope」創刊。新聞社・ネットメディア記者を経て独立し、現在は「Forbes JAPAN」、「Timeout Tokyo」など国内外の社会問題から若者文化まで様々なテーマで取材している
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