質問妨害再び。菅官房長官「その発言なら指さない」発言が飛び出した5・29PM会見を信号無視話法分析

「その発言だったら、指しません」発言

 1問目の後、再び挙手をした望月記者に対し、菅長官はこう牽制する。 「その発言だったら、指しません」  これは再び質問妨害に関する質問をするのであれば指名をしない(=回答をしない)という明確な意思表示だと受け取れる。  今年2月26日午後の記者会見で菅長官から飛び出した「あなたに答える必要はありません」発言と並んで、特定の記者を排除する問題発言だと言える。(参照:”菅長官、「政府に都合が悪い意見」を言う東京新聞望月記者だけを無視、妨害。質疑可視化で明らかに” 犬飼淳–HBOL

2問目 日朝首脳会談について

2問目日朝会談について 先ほどの菅長官の「指しません」発言を受けて、望月記者は質問内容をとっさに日朝首脳会談に切り替える。  そのやり取りを以下に書き起こす。 望月記者:えっと、日朝首脳会談について、お聞き致しますね。えっとー、長官、あのー、これまで、その、直接的にですね、「金正恩委員長と直接会って話をする準備がある」という首相のご発言について「何が適当、あの適切かとの判断だ」という趣旨のご発言されたと思うんですが、えーと、昨日、まあ、一部報道出てますが、日朝の、えー、交渉について、えー、首相の前提なしでの、えー、首脳会談について、まあ、労働、朝鮮労働党の機関紙が「日本は840万人の朝鮮人を拉致し、戦場や工場に送り出した」と「過去のとびらを、罪を清算する気など全くない」と。この前提条件なく首脳会談を目指す政府をこれ、批判をしておりました。これについての受け止めをお聞かせください。 菅長官:ま、いちいちお答えしません。<赤信号> 「その質問」でないから別の質問をしたにもかかわらず、正当な理由もない回答拒否。当然、赤信号である。  今回の信号無視話法分析の結果は、当日の会見映像とともに筆者のYoutubeチャンネル「赤黄青で国会ウォッチ」で動画を公開中。 <文・図版・動画作成/犬飼淳 TwitterID/@jun21101016> いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。最近は「赤黄青で国会ウォッチ」と題して、Youtube動画で国会答弁の視覚化に取り組む。  犬飼淳氏の(note)では数多くの答弁を「信号無視話法」などを駆使して視覚化している。また、同様にYouTubeチャンネル(日本語版英語版)でも国会答弁の視覚化を行い、全世界に向けて発信している
TwitterID/@jun21101016 いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。noteのサークルでは読者からのフィードバックや分析のリクエストを受け付け、読者との交流を図っている。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(日本語版/ 英語版/ 仏語版)で国会答弁の視覚化を全世界に発信している。
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会