1問目の後、再び挙手をした望月記者に対し、菅長官はこう牽制する。
「その発言だったら、指しません」
これは再び
質問妨害に関する質問をするのであれば指名をしない(=回答をしない)という明確な意思表示だと受け取れる。
今年2月26日午後の記者会見で菅長官から飛び出した
「あなたに答える必要はありません」発言と並んで、特定の記者を排除する問題発言だと言える。(参照:
”菅長官、「政府に都合が悪い意見」を言う東京新聞望月記者だけを無視、妨害。質疑可視化で明らかに” 犬飼淳–HBOL)
先ほどの菅長官の「指しません」発言を受けて、望月記者は質問内容をとっさに日朝首脳会談に切り替える。
そのやり取りを以下に書き起こす。
望月記者:えっと、日朝首脳会談について、お聞き致しますね。えっとー、長官、あのー、これまで、その、直接的にですね、「金正恩委員長と直接会って話をする準備がある」という首相のご発言について「何が適当、あの適切かとの判断だ」という趣旨のご発言されたと思うんですが、えーと、昨日、まあ、一部報道出てますが、日朝の、えー、交渉について、えー、首相の前提なしでの、えー、首脳会談について、まあ、労働、朝鮮労働党の機関紙が「日本は840万人の朝鮮人を拉致し、戦場や工場に送り出した」と「過去のとびらを、罪を清算する気など全くない」と。この前提条件なく首脳会談を目指す政府をこれ、批判をしておりました。これについての受け止めをお聞かせください。
菅長官:ま、
いちいちお答えしません。<赤信号>
「その質問」でないから別の質問をしたにもかかわらず、正当な理由もない回答拒否。当然、
赤信号である。
今回の信号無視話法分析の結果は、当日の会見映像とともに筆者のYoutubeチャンネル「赤黄青で国会ウォッチ」で
動画を公開中。
<文・図版・動画作成/犬飼淳 TwitterID/
@jun21101016>
いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。最近は「赤黄青で国会ウォッチ」と題して、Youtube動画で国会答弁の視覚化に取り組む。
犬飼淳氏の(
note)では数多くの答弁を「信号無視話法」などを駆使して視覚化している。また、同様にYouTubeチャンネル(
日本語版/
英語版)でも国会答弁の視覚化を行い、全世界に向けて発信している