5月末、北朝鮮旅行についてある変化があった。北朝鮮東北の羅先特別市と中国と結ぶ
琿春イミグレーションが6月1日から夏季期間、土曜日も閉鎖されることになった。
琿春のイミグレは、毎週日曜日に完全閉鎖されすべての人の出入国ができないが、それに加えて土曜日も、中国人を除く全外国人の出入国が停止されるとのこと。
どうやら中国側の決定らしく5月末に一方的に北朝鮮側へ伝えられて北側も対応に追われている。土曜日に外国人を締め出した理由は定かではないが、中国人の土曜日の羅先日帰りツアーが激増しているための対応とみられる。
中国人訪朝者の激増によって他の外国人へのしわ寄せは他にもある。
国際列車の切符が買い占められてしまった出発地の丹東駅構内
5月1日から丹東発の国際列車の3段ベッド席(硬卧)の独占購入権を丹東の旅行会社1社が獲得してしまったため切符が買い占められてしまったのだ。少なくても数か月先まで買い占められてしまっており、海外の旅行会社が切符を入手することが難しくなってしまった。
影響はそれだけではない。丹東から国際列車で帰国しようという北朝鮮人ですらも切符が手に入りづらくなり頭を抱えているというのだ。
仮にも国際列車である切符を1社が独占購入するなど……、は中国ではあることで、以前、「大同江ビール」の総輸入代理店を、いまだ軟禁が解かれたとの情報がない美人女性実業家の馬暁紅氏の「丹東鴻祥実業発展有限公司」が独占権を持っていたことは以前もお伝えした。
競争を廃して独占権を与えることは中朝や中ロ間ではよく行われることのようだ。
独占した国際列車の切符は、傘下の旅行会社へ配布されているため外国人が買うとしたらそれらの旅行会社から買うしかなくなり、プレミアがついて高騰。またコネも必要となってくる。
結果、それらの分がエンドユーザである一般旅行者の旅費へ加算され旅費自体が大きく上がることになった。通常、利用客が増えたら車両を増やしたり、増便するところであるが国連制裁の影響で難しいらしく、この夏の平壌への国際列車、旅客機ともに予約しづらい状況となっている。