問題続発から正常化? 再燃するソーシャルレンディング投資は本物か?

投資する男性イメージ

Jess Foami via Pixabay

 業界最大手の行政処分を受け、今年3月から“透明化”が図られたソーシャルレンディング。その最新投資法を解説!

生まれ変わった[ソーシャルレンディング]で安定運用!

 今、ソーシャルレンディング(SL)業界が再び盛り上がっているのをご存じだろうか? ネット上で不特定多数から資金を集めて資金需要者に貸し、金利の支払いから投資家に分配金を出す「貸し付け型クラウドファンディング」とも言われる商品だ。  昨年はSL業界にとって暗い年だった。商品の特性上、ファンドを組成して投資家から資金を集めるところまでは「金融商品取引法」の扱いになるが、資金の貸し付けには「貸金業法」が適用される。この貸金業法では貸し先を公開しないよう求めているため、不適切な資金流用に手を染めるSL事業者が現れたのだ。その典型が、昨年話題になった「maneo事件」だ。某SL事業者の幹部が語る。 「’17年にみんなのクレジット(現スカイキャピタル)が集めた資金をグループ会社に還流していたとして金融庁から指導を受け、翌’18年7月には業界最大手のmaneoマーケットでも同様の事件が発覚してしまいました。厳密にはmaneoのプラットフォームを利用していたSL事業者で、投資家に対する虚偽説明の事実などが発覚した格好ですが、maneoも含めて行政処分されたのです。最大手まで処分されたことでSLのイメージは一気に悪化しました」 <ソーシャルレンディング事件簿> ●’17年3月 みんなのクレジット行政処分  貸付金の大部分をグループ関連会社に流用。金融庁から1か月の業務停止命令、8月には東京都からも業務改善命令を受けた。未償還の金額は31億円に。’18年3月に社名をスカイキャピタルに変更 ●’17年6月 クラウドバンク行政処分  案件募集について誤解を招く記載やキャンペーンの誇大広告などが問題視され、金融庁から業務改善命令を受けた。’15年7月にも会社の資金と貸付金の分別管理が適切ではなかったとして処分を受けていた ●’18年3月 ラッキーバンク行政処分  親族経営会社への資金流用や書類の改ざんが発覚し業務改善命令。’19年1月に、個人投資家45人が2億7000万円の損害賠償請求。同3月に第二種金融商品取引業登録取り消し ●’18年6月 LCレンディング元経営者らにインサイダー疑惑  親会社であるLCホールディングスの元社長ら3人が金融証券取引法違反の容疑で告発され、同社も関係先として強制捜査されたと発表 ●’18年7月 maneoマーケット行政処分  同社を通して融資募集していたグリーンインフラレンディングに虚偽説明などの事実が発覚してmaneoにも業務改善命令。’19年3月、投資家が両社に11億円の損害賠償請求 ●’18年12月 エーアイトラスト行政処分  虚偽案件があったとして業務改善命令及び1か月の業務停止命令。後に貸付金の私的流用などが発覚して第二種金融商品取引業登録取り消し  一連の事件を受けて、金融庁は方針転換。今年3月、投資家が借り手側に接触しないということを条件に、貸し先の匿名化を解除する方針を示した。投資家は貸し先を把握できるようになったのだ。

相次いだ利払い延滞と行政処分から、リスクの透明化へ

「金融庁の通達を受けて、新興勢力のクラウドポートが運営する『funds』やSAMURAI証券というSL事業者がすぐさま実名化に対応。maneoに次ぐナンバー2のSBIソーシャルレンディングも5月から貸し先を公開したSLファンドの募集を開始しました。このように実名化に対応した事業者の商品は人気が高く、5月20日に募集を開始したSBIの商品は10分足らずで完売。fundsでは30秒で8000万円の応募枠が埋まってしまった商品もある。投資家は何とか人気商品に投資しようとクリック合戦を繰り広げている状態です。一方で、行政処分の対応に追われているmaneoはいまだ実名化に動いていないことや、一部で分配金の支払い遅延が発生していることもあって資金流出が続いています」  実際、8000万円の資金をSLで運用して年間400万円のリターンを獲得している投資家のSALLOW氏も次のように話す。 「maneo関連の投資残高は700万円になりますが、支払い遅延が発生しているので償還を迎えたらmaneoに再投資せず、別の事業者の商品に振り分けるように運用先を移行しています」
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利回り重視よりも低リスク商品が人気に
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