韓国側から批判された21日の外相会見 外務省YouTubeチャンネルより
5月22日付けの韓国各紙が、河野太郎外相が
会見で徴用工問題について「文在寅大統領に責任を持って対応してほしい」と述べたことに対して、無礼だとして批判的な報道を行った(参照:
文大統領への対応要求「無礼」=河野外相発言を批判-韓国紙−−時事通信)
この報道に関して、Twitterのある投稿が目に留まった。
”河野外相の発言が韓国大統領に対し「無礼」とされている問題について、タイから報道によると、「先進国やアジア主要国では、韓国大統領より日本の外相の方が格上というのは常識。国際社会の立ち位置、信用度は天地の差」。日本は謙虚な国だからこういうことは自らは言わないが、世界はそう見ている。” −−
加藤清隆(政治評論家)のTwitterより
この加藤清隆なる御仁、調べてみれば元時事通信特別解説委員で、いまはフリーで政治評論家をしているという立派な肩書の人物だ。
しかし、タイ在住で親族もタイ人がいる筆者は一点、違和感を抱いた。
そんな「タイからの報道」はあったのだろうか??
タイも日本同様にネットやSNSの発達で情報が氾濫しているので、筆者も見落としているかもしれないが、
タイ語で検索しても、日本の外相の発言に関する報道は見当たらない。「タイから報道によると」とあるが、一体どの報道機関、あるいは記者が発言したのだろうか。
タイもかつてほどK-POPや韓流ドラマなどの人気がなくなってはいるものの、
日本で言う「嫌韓」という風潮は一寸もないと言っていい。
一般的なタイ人を見ても、韓国が日本を嫌っているとか、その逆もあるとか、そういうことすら知る人はほとんどいないと言っても過言ではない。というのは、韓国人も日本人も腹の底ではどう思っているかはあるにしても、あらゆる人種が集まるタイでは韓国人と日本人は敵対しているわけではなく、個人間では友好的な関係を構築しているからだ。そのため、タイ人から見れば、このふたつの国同士も関係性は良好と思うだろう。
「隣国同士の関係性が微妙」というのは世界中でよくある話で、タイであれば、たとえばタイ人はカンボジア人をやや見下している節がある。しかし、そのことは日本では一般的な常識であるとは言えないだろう。要するに、韓国と日本の関係だって、タイからすればどうでもいいわけで、そんな国が
わざわざ日本が上、韓国が下といった報道をするだろうか、という疑問が出てくる。