丸山穂高議員の「戦争発言」、維新の“行儀見習い”が原因!? 

暴言を吐くに至った理由は丸山氏の“個人的資質”だけなのか

安保関連法案審議当時

2015年6月、安保関連法案審議当時の、大阪での維新勉強会後の会見。当時は丸山氏は安保法制に歯止めをかける対案づくりに尽力していた

 2015年夏に安保関連法案阻止のために維新独自案作成に尽力していた丸山穂高衆院議員が、橋下徹・元大阪市長ら維新幹部による“行儀見習い”(再教育)が始まってから約3年半後の今年5月、「戦争で北方領土奪還」発言を口にした。 「『戦争』発言・丸山議員の意外な過去。『日本の戦争参加』に歯止めをきかせようと尽力していた!? 」(5月21日配信)で紹介した通り、憲法学者の小林節・慶應大学名誉教授が「合憲」と認定した維新独自案作成に関わった丸山氏に対して、橋下氏は「『(大阪)維新の会で行儀見習いをさせます』と“再教育”を宣言」(2015年7月11日付『産経新聞』)していた。  丸山氏はどんな再教育を受けて、暴言を吐くまでに変貌していったのか。教育係としての橋下氏の発言に注目していたが、「丸山穂高氏の失敗・4つの理由」(5月22日配信のプレジデントオンライン)には、以下のように丸山氏の“個人的資質”に関する理由ばかりが書かれていた。 1、丸山氏が維新の会の看板の力を過小評価し、自分の力を過大評価した 2、永田町での生活で、どんどん自分の力を過信するようになった 3、維新の会の中に、支えてくれる仲間がいなかった 4、有権者全体からみればごく一部なのに、声は非常に大きいネットの中の応援団に依存しすぎた  再教育前の丸山氏は「戦争に歯止めをかける」という立場だった。しかし、当時の発言を問題視した橋下氏は“再教育”を宣言。そして同年10月、党内路線対立を抱えていた維新は野党共闘路線の「非大阪組」と政権補完路線の「大阪組」に分裂。大阪7区が選挙区の丸山氏は共に維新独自案作成に関わった「非大阪組」と決別して、「大阪組」の一員として“行儀見習い”を受けることになったのだ。この環境の激変が丸山氏を変えていった可能性がある。その変貌ぶりを見ていくことにしよう。

共謀罪成立の“先兵役”を担った丸山氏

 2015年9月の安保関連法案成立の翌々年の2017年春、安倍政権は共謀罪法案を提出した。これに野党は徹底抗戦。与野党激突法案となる中、自民と公明と維新の3党は5月19日、質疑を打ち切って強行採決に踏み切った。その“先兵役”を担ったのが丸山氏だった。渦中の衆院法務委員会で「審議時間はもう十分。私の質疑のあと、ただちに採決してほしい」と発言、強行採決の環境作りをする発言をしたのだ。  野党筆頭理事の民進党・逢坂誠二議員(当時)は激怒し、「これが法治国家なのか。ひどい話だ。しかも委員会の審議に出ていない委員外の者に『審議時間は十分だ』などと言わせて、責任放棄も甚だしい」と抗議した。丸山氏が登場する動画は、当時の民進党のサイト「【衆院法務委】自公維3党が『審議は十分』と共謀罪法案を強行採決」で今でも視聴可能だ。  小林節教授に「合憲」と認定された維新独自案(対案)丸飲みを安倍政権に迫った頃からは、とても想像できない姿へと変貌していた。これは“行儀見習い”による教育効果の産物だったのではないだろうか。
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橋下氏にもあった「変節」
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※丸山氏の変貌については5月17日配信のデモクラシータイムス「『戦争で島奪還』 危うい!政治家の『軽さ』」で、日刊ゲンダイ編集局の平井康嗣・前『週刊金曜日』編集長が紹介。筆者は立教大学ラテンアメリカ研究所学外所員の伊高浩昭氏、ノンフィクション作家の高瀬毅氏と議論している。
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