呂布カルマと語るMCバトル盛衰史。“大人のマジ喧嘩”から”技の冴えを競うプロレス”へ<ダメリーマン成り上がり道#16>

自分で「負けた」と思ったバトルはほとんどない

――これまでの戦極MCBATTLEで呂布さんが印象深かったバトルはどれですか? 呂布:「決勝で漢さん(漢 a.k.a. GAMI)に負けた去年の大会(『戦極MCBATTLE 第18章 -The Day of Revolution Tour-』)は、規模も大きかったし印象深かったですね。僕は漢さんには4回くらい勝っていて、『漢さんだったら楽勝だな』みたいに思っていたんですけど、その日の漢さんにはすげー風が吹いていて。で、負けて。でも客観的に、あそこは漢さんが優勝したほうが絶対いい大会だったなって思うし、負けはしましたけど全然よかったなと思います」 正社員:「たしかにあの日は漢さんに風が吹いてたな」 呂布:「バトルはお客さんや審査員の判定で勝ち負けが決まりますけど、ぶっちゃけ自分のなかでの勝ち負けはまた別で。僕はR-指定に負けた1試合以外は、自分のなかで負けたと思う試合ってほとんどないです。あの決勝の漢さんとのバトルも、俺は自分が勝っていたと今でも思うし、実際に観直しても俺の勝ちだと思うんですけど、その日のストーリーとしては負け。それはそれでいいし、『賞金がもらえなかったことは残念だな』くらいです」

動画はモチベーション維持と確認用にだけ利用

――試合を見返すこともあるんですね。 呂布:「DVDをもらったものやYouTubeに上がったものは観ますね」 ――何か次に活かせることや勉強になることはありますか? 呂布:「バトルはその回その回で違うので、それはあまりないですね。自分が何を言ったかも覚えてないことが多いので、『俺、こんなこと言ってたんだな。イケてんじゃん』と確認するために観ている感じです。自分が優勝した大会は最後まで観るし、途中で負けていたら自分が負けたところまで観ます。その先は興味ないので観ないです」 ――自分のなかの勝ち負けとは別に、『だから自分は負けの判定になったんだな』と納得することもあるんですか? 呂布:「相手が強敵を倒して勝ち上がってきていたとか、僕とのバトルの前に勝てる空気を会場に作っていたとか、そういうこともありますからね。自分が戦った一試合だけを切り取ってもわからないこともあります」 <構成/古澤誠一郎> 【MC正社員】 戦極MCBATTLE主催。自らもラッパーとしてバトルに参戦していたが、運営を中心に活動するようになり、現在のフリースタイルブームの土台を築く 【呂布カルマ】 ヒップホップMC。愛知県名古屋市を拠点に活動。JET CITY PEOPLE代表。最新シングルは4月リリースの『SAMSAVANNA』。リリースや出演の情報はTwitterアカウント@Yakamashiwaで配信中
戦極MCBATTLE主催。自らもラッパーとしてバトルに参戦していたが、運営を中心に活動するようになり、現在のフリースタイルブームの土台を築く
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