協議が開始されたノルウェーのオスロ photo by Alexandra von Gutthenbach-Lindau via Pixabay
ベネズエラのマドゥロ大統領政権と反対派のグアイドー暫定大統領の間でそれぞれ代表がノルウェーのオスロで協議を始めたということがつい最近明らかにされた。
マドゥロ政権から協議に臨んだ代表にはホルヘ・ロドリゲス(通信相)とヘクトル・ロドリゲス(ミランダ州知事)、一方の反対派からはヘラルド・ブライレ(元議員)、フェルナンド・マルティネス・モトラ(アンドレス・ペレス元大統領時の大臣)それにスタリン・ゴンサレス(国民議会副議長)が加わった。(参照:「
ALNAVIO」)
ノルウェーがベネズエラ紛争に仲介役をするのではないかという噂は今年2月中旬にあったという。マドゥロの対欧州連合担当のイヴァン・ヒル副外相がノルウェーの外交高官ダグ・ネイランダーと会談を持ったことが明らかになった時からである。(参照:「
ALNAVIO」)
もともとノルウェーとマドゥロ政権の接点は以前から存在していた。
コロンビア政府がコロンビア革命軍(FARC)との和平交渉にノルウェーが仲介した特に、先ずチャベス、その後マドゥロがこの交渉に第三者的な立場から参加していたからである。この和平交渉が成立した実績をマドゥロ政権は評価していたというのが、前述ヒル副外相がネイランダーと接点を持った起因であった。それ以後、ノルウェーはマドゥロとグアイドーの双方の動きに注視していたというわけである。
コロンビアのサントス前大統領は彼の著書『La batalla por la paz(平和の為の戦い)』の中で、「僅か500万人余りの人口のノルウェーには人類に尽くす為の豊富な経験が集積され、交渉で信頼を勝ち取るための方法論まで備えて敵対する双方を接近させることを容易させている。コロンビアがそれに感謝しているように、世界もそれに感謝すべきだ」と述べている。
更に、サントスは、当時彼の政権とFARCの最初の接点では仲介役のノルウェーは非公式の会合の場を設けて
地元のサーモンに白ワインを用意し、正式に協議が開始される前に
双方の全権代表と他の参加メンバーとが面識を持つようにさせて冷たい氷を打ち砕く場を設けたことにも言及している。