失敗に終わりそうなベネズエラ軍事蜂起。背景にはグアイドーの焦り
El Confidencial』にそれを明らかにしたそうだ。
当初、米国トランプ政権は、ベネズエラのモレノ最高裁裁判長、エルナンデス・ダラ国家警備隊名誉会長、パドゥリーノ国防相といったマドゥロ側の面々、そしてグアイドーをリーダーとする反政府派との間で合意を交わしていたそうだ。この軍事蜂起を合法化させるためだったという。
自宅に軟禁させられていたレオポルド・ロペスが恩赦となったのも、国家諜報局SEBINのマヌエル・クリストファー・フィゲラ長官が彼を釈放して今回の軍事蜂起の拠点になる軍事基地ラ・カルロッタにグアイドーとロペスが一緒に現れて蜂起を正当化させるのに都合が良いと判断したからだという。また、ジョン・ボルトン米大統領補佐官はモレノ最高裁裁判長、エルナンデス・ダラ国家警備隊名誉会長、パドゥリーノ国防相の3人と数か月前から密かに交渉してこの軍事蜂起の合意が交わされていたのは、マドゥロをキューバに亡命させるためだった。
ところが、グアイドーはその合意内容を守らず、一日早めて4月30日に蜂起を決行してしまったのである。階級の低い一部軍人らを伴っての軍事蜂起だった。
グアイドーとロペスが決行を一日早めたことによって、前述3人を始め、それに軍事参加を予定していたホセ・アデリノ・オルネーリャ・フェレイラ将軍も手を引いたという。彼は1992年にチャベスが軍事クーデターを起こした時に一緒に参加したひとりで、チャベス政権時には指令本部の本部長の責務を担い、2017年からは第二コマンドの司令官である。(参照:「El Pais」)
なぜグアイドーは5月1日まで軍事蜂起を待つことができなかったのか? 理由はある。もともとグアイドーは、5月1日に大統領官邸までの抗議行進を実行する予定だった。しかし、その実行直前に司法関係当局はグアイドーを逮捕するという情報が彼の手元に届いたからだという。
もしここで逮捕されてしまったら、5月1日の「本番」である軍事蜂起に参加できなくなる。そのため、蜂起の実行を早めたというのである。(参照:「El Confidencial」)
El Confidencial紙にこの裏事情を伝えたその軍人は「ベネズエラの言葉で言えば、グアイドーもロペスも『光を食べてしまった」。二人共アマチュアだ」「ニコラス・マドゥロの反対勢力である二人は相手方側近らと事前に合意していたことを守らず、主人公になりたくて焦ったのだ」と述べた。
更に、「グアイドーとロペスは米国政府そしてマドゥロ政権を支える軍人と交渉していた我々を驚かせてしまった」「米国はグアイドーに裏切られたと感じている。これからどのようになるか私には分からない」と語ったのである。(参照:「El Confidencial」)
4月30日に暫定大統領グアイドーと一部軍人が起こした軍事蜂起は失敗に終わりそうだ。軍事蜂起が計画されていたのは5月1、2日であった。カリブ海のある島でこの軍事蜂起についての交渉の仲介していた一人の軍人がスペイン電子紙『
計画を揺らがせたグアイドーの焦り
グアイドー、焦りの要因
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