パチンコ業界「みなし機」完全撤去決議。広がるパチンコ店の怒りの渦

「行政への忖度だ」怒るホール経営者たち

 この全日遊連の決定にホール経営者たちは怒っている。しかしとても興味深いのは、その怒りが、まったく違う二つの方向に分かれている事だ。  一つ目は、規則等の改正により、2021年1月までに、ホール内の遊技機をすべて新規則機に入れ替えなくてはいけないという大きな経営課題を抱えている中、更なる設備投資を決定付ける全日遊連の決定に対し、「全日遊連は中小ホールの現状を知っているのか!」、「我々を潰すつもりか!」と、強い怒りと反発をホール経営者らが示している事である。 「全日遊連の暴走」。「全日遊連の、行政に対する忖度」。彼らの怒りは収まりを知らない。  しかし、もう一つの怒りは、上の怒りとは真逆の怒りだ。  遊技機規則等が改正され、本来のルールに則り、「みなし機」は当たり前の判断で撤去してきたホール経営者らがいる。彼らとて、新規則機の導入を進めなくてはいけない立場であり、「みなし機」を撤去するという事は相応の設備投資を求められた。が、企業コンプライアンスを優先し、撤去に踏み切ったのだ。  しかし、今回の全日遊連の決定は、裏を返せば、「年末までは『みなし機』を設置していてもお咎めなし」とも取れるものである。ルールを守った者が損をする。そんなパチンコ業界では、今後何を望むべくもない。これも、リアルなホール経営者らの怒りである。

もう一つの原因はホール経営者らの怠慢

 筆者の本心を言えば、前者の怒りには、ホール経営者らの怠慢がある。  どうせどうにかなるだろう。お目こぼしがあるだろう。いままでもそうだったから、これからもそうだ。そのような旧態然とした、パチンコ業界の古い慣習が、やはり古いホール経営者らの足を絡めとり判断を間違わせた。  時代は変わった。  パチンコは、国が本腰を入れてカジノ建設に踏み出した時から、本来の「国民の娯楽」という立場も、建前も失った。ともすれば、カジノのスケープゴートにされる危機すら常に漂わせているのだ。  全日遊連の「みなし機」撤去に関する今回の決議は、旧態然としたホール経営者らへの温情だ。  しかしそのような中でも一番大事な事は、この記事を読んだ業界外の第三者は「このような問題は議論すべきレベルの問題でもない」と感じるという事を、パチンコ業界が推して知るべしという事である。 <文・安達 夕 @yuu_adachi
Twitter:@yuu_adachi
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