前出のように筆者が『手書き』にこだわっているのには理由がある。それは、記憶への定着化がよかったり、書きながら思考が始まるからだ。
キーボードで文字を打つことに比べて、手書きで文字を書くほうが、圧倒的に脳が活性化する。キーボードで文字を打つことは、脳をサボらせているのと同じなのだ。いいアイディアが思いつきずらかったり、新しい知識を吸収しにくくなるという研究結果がある。
筆者が新卒で入社した会社はIT企業であるにも関わらず、議事録を取るときに手書きを強制させられていた。手書きではすべてをメモすることは間に合わないので、話の整理や重要な情報の取捨選択をする能力を身につけることができた。
このように、キーボードでは聞いた情報をメモするだけだったが、メモを手書きですることで、情報をインプットをしながら整理してアウトプットをするという、インプットとアウトプットを両方同時にやるので、思考力のトレーニングや記憶への定着化につながるのだ。
もし、紙のメモ帳を持ちたくない人は、タブレットでスタイラスを使ってメモをしてもよい。
ノルウェー科学技術大学の研究で、紙に手書きで書くのと、タブレットにスタイラスペンを使って書くのでは、脳の働きは同じということがわかっているので、どこでもメモが参照・編集できるという点では、タブレットを使うのもオススメだ。とにかく、メモをする時は、手書きにこだわってほしい。
また、メモをするときに使うペンは、青いペンをオススメする。青色は人をリラックスさせて集中力を高める効果がある。
このように、メモをするにしても、その効果を高める方法は、様々な形で研究されている。せっかくメモを習慣化するのであれば、メモに関する研究データを集めて、効果を最大化させる方法で実践していただきたい。
【参考資料】
『Only Three Fingers Write, but the Whole Brain Works: A High-Density EEG Study Showing Advantages of Drawing Over Typing for Learning』Audrey L. H. van der Meer and F. R. (Ruud) van der Weel
【山本マサヤ】
心理戦略コンサルタント。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催。これまで数百人に対して仕事やプライベートで使える心理学のテクニックについてレクチャーしてきた。また、メンタリズムという心理学とマジックを融合した心理誘導や読心術のエンターテインメントショーも行う。クラウドワークスの「トップランナー100人」、Amebaが認定する芸能人・著名インフルエンサー100人に選出。
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