やっぱり日本のネットは超遅かった! その理由と今後

 街中で、自宅で、最近インターネットが遅いと感じた読者は少なくないだろう。それは気のせいではない。世界的に見ても日本のネットは遅い部類に入るのだ!

公衆Wi-Fi網は整備されたが訪日外国人からは「日本のネットは遅い」との声も 写真/AFP=時事

動画コンテンツが急増し回線がパンク状態に

 最近、なんとなくネットが遅くなってないか。ふとそんな思いにとらわれた人がいるならば、その肌感覚は正しいのかもしれない。  2月に『日本経済新聞』が東京大学の協力を得て調査した結果によると、日本の高速固定通信の速度がOECD加盟36か国中、23位に転落したことが明らかになった(’15年は7位)。 <こんなにも遅い!> ●モバイル 1位 ノルウェー 6位 韓国 35位 トルコ 46位 日本 ●固定回線 1位 シンガポール 5位 韓国 19位 台湾 20位 日本 出典:米Ookla「Speedtest Global Index」(3月時点)

日本の通信環境は需要と供給のバランスが崩れている

 とにかく他国にどんどん追い抜かれているのだ。絶対的にしろ、相対的しろ、通信環境が悪化することはすなわち、日本経済および産業競争力の後退にも直結し、我々の生活の質の低下にも繫がるのだ。はたして今、日本の通信環境に何が起きているのか。 「通信環境が悪化しているというデータが正しいとするなら『回線の混雑』が最大の理由ではないでしょうか」  こう話すのは、情報通信事業に詳しいコンサルタントのクロサカタツヤ氏だ。 「以前に比べて動画などデータ容量が多いコンテンツやサービスをバリバリ使う人が増えてきた。一方で、固定回線の設備自体はそれほど増えていない。需要と供給のバランスが崩れた結果、ネットが遅いと感じ始めているユーザーが増えていると推測できます」
次のページ
トラフィックは10年で10倍に
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会