だがしかし、早晩、「消費増税の延期」という野党側の政策を、安倍政権が剽窃する日がやってくるはずだ。すでに、安倍晋三の側近・萩生田光一自民党幹事長代行は、ネット番組で「増税延期」に言及し、一部週刊誌報道で「消費税延期どころか5%に下げる案が浮上」などの情報を流し始めている。
なにも、陰謀論的予想で言っているのではない。安倍政権になってからの国政選挙は常に「消費増税やる!」と主張しておきながら、選挙直前になって「やっぱり延期な!」と主張するというマッチポンプ的な手法で行われてきた。つまり安倍政権は、増税延期という餌で有権者を釣っているわけだ。そしてその餌が、安倍政権オリジナルのものであればまだしもだが、安倍政権は常にその餌を、野党から盗んでいる。
これほど卑怯なことがあろうか。
消費増税を叫んだ後に、増税延期で選挙をするという安倍政権の詐欺的手法による国政選挙は、次の参院選で4度目となるはずだ。
もうこれ以上、騙されちゃいけない。これ以上騙されれば、我々日本の有権者は、朝三暮四の猿よりも、頭が悪いということになる。
<取材・文/菅野完>
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日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。現在、週刊SPA!にて巻頭コラム「なんでこんなにアホなのか?」好評連載中。また、メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(
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