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タイガー・ウッズが伝統あるマスターズで14年ぶり、メジャー選手権では11年ぶりとなる優勝を果たし完全復活を遂げたことで、米国だけでなく世界のゴルフファンが沸いている。同国内ではマスターズが終わった後も連日のようにウッズ関連の話題がメディアを賑わし、熱狂冷めやらぬ状況だ。
そんな中、ウッズのおかげで実に意外なものまで脚光を浴びる社会現象も起きている。
何と、チューイングガムだ。
今回のマスターズで、ウッズはプレー中にガムを噛んでいた。これまでのウッズには見られなかった珍しい行為であることから、米国のツイッターユーザーの間では
「何でタイガーはガムを噛んでいるの?」「ガムに何か意味があるのか?」「秘密を知りたい」「僕もタイガーが噛んでいるガムが必要だ」などの声が上がり、ちょっとしたバズ現象が起こっていた。
米メディアもウッズのガムに注目し、大会中の会見の席でウッズ本人にガムを噛んでいる理由を尋ねている。
USAトゥデー紙によると、そのときのウッズの答えは次のようなものだった。
「僕がなぜガムを噛んでいるかというと(ラウンド中に)
お腹が空くことが多いからです。普段から非常に食欲旺盛なのでお腹が空きます。ガムを噛むことで多少は食欲を抑えることができるというメリットがあります。ツアーを戦うときに僕がいつも直面する問題は、皆さんもご存知のように、体重が激減するということですからね」
この答えが物足りなかったのか、米メディアがガムの効果をさまざまに検証する番組や記事も続出した。米ケーブルテレビのゴルフ・チャンネルでは、米ゴルフツアーで11度優勝経験のあるプロゴルファーのジョン・クックが「
プレッシャーを軽減するためだろう。僕自身もかつて、大会中に妻から落ち着いてと言われガムを渡されて噛んだことがある」と解説。ツアーで41度の優勝を経験し米CBSテレビで解説を務めるニック・ファルドは「
ペパーミントのガムを噛んでいるのではないか。ミントは集中力を高めるのに役立つ」と述べている。(参照:「
Golf Channel」)
実はガムを噛むプロゴルファーはウッズだけというわけではなく、フィル・ミケルソンは今年1月からガムを噛んでおり、ミケルソンのガムへのこだわりとその効果が
3月14日付のニューヨーク・タイムズ紙で長い特集記事になっている。
それによると、ミケルソンは「
噛むという動作は脳の前頭前皮質を刺激する」と話し、科学的分析に基づいて
主に認知機能を高める目的でガムを噛んでいるという。同紙はガムを噛む効果に関する過去の研究データも紹介しており、セントローレンス大学の心理学者らが2011年に行った研究によると、ガムを噛むことで人はより慎重に思考するようになり、脳が新たな情報を処理する能力を高めるという結果が出ているという。
何のガムを噛んでいるかについてミケルソンは「まだ販売はされていない」と話しているため、
成分やフレーバーを独自に調合したオリジナルのものを愛用しているとみられる。
それだけガムを重視しているというわけだ。