猛暑が来てからじゃ遅すぎる! 失敗しない「断熱リフォーム」の方法

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今こそ、断熱リフォームの最適期

 冬が去り、過ごしやすい気候の日が増えてきた。こんな時期こそ、猛暑の来襲に備えて自宅の断熱リフォームを検討したい。古くなった住宅の見た目を良くするリフォーム(リノベーション)そのものは、ブームと呼ばれるくらい流行っている。せっかくリフォームするなら、その際に断熱工事を合わせて行うことをお勧めしたい。暑さや寒さの改善に加え、湿気や騒音を大幅に改善につながるためだ。 「断熱」という響きから「冬に家を暖かくする」というイメージを持つ人がいるが、それは違う。住宅を適切に断熱することで、夏も涼しく過ごすことができるようになる。そこで、夏対策を中心とした断熱リフォームのポイントと、リフォーム業者の選び方について紹介する。

マンションなら窓と壁の断熱で劇的な効果が

内窓をつけると夏も暑くなりにくい

内窓をつけると夏も暑くなりにくい

 断熱リフォームで費用対効果が高いのは、なんといっても窓まわりだ。サッシそのものを交換するとコストが高くなるので、窓の内側にもうひとつ窓を設置する内窓が適している。内窓であれば、壁を壊すことなく1か所あたり30分から1時間程度で手軽に取り付けることが可能だ。  種類としては、サッシは断熱性能の高い樹脂製で、ガラスは2枚のタイプがいい。さらにガラス表面に断熱、遮熱の加工がされたLow-Eタイプのものであれば更に効果が高い。できれば家のすべての窓の内側に設置したいが、夏対策を優先するのであれば、まずは特に暑くなる部屋の窓から優先するのもいい。なお、自治体によっては内窓設置に一部補助が出る制度もあるので、設置前に調べてもらいたい。  マンションの場合は窓の面積が限られるので、すべての窓に内窓を設置しても30万円から60万円程度のコストで済む。夏も冬も快適で省エネになることに加え、結露が発生しにくくなることで、ダニやカビの抑制にもつながる。その価値を考えれば、やらない理由はないと言えるほどだ。
断熱材を入れて壁が分厚くなったマンションの一室

断熱材を入れて壁が分厚くなったマンションの一室

 マンションでもうひとつ対策するとしたら、壁の内断熱だ。ただし、いったん内装材を剥がして断熱材を入れるという工事が必要になるので、内窓に比べて工事費は高くなる。そこで、壁の内装材などを交換する時期に合わせてやるとコストパフォーマンスは上がる。  とはいえ、戸建住宅と違って上下左右に部屋のあるマンションの中部屋の場合は、他の部屋が断熱材代わりになり、手を入れる場所が限られる。壁の内側に断熱材を入れる必要があるのは、直接外と接する面のみなので、ハードルはそれほど高くない。内側に断熱材を入れることで、外に面した部屋は数センチ狭くなるが、温度ムラが減り、室内全体が有効活用できるようになるため、不便は感じないはずだ。
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一戸建ての猛暑対策、鍵となるのは?
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