民泊経営の筆者、地域の理解を獲得し町内会の会長に就任! ~金欠フリーライター、民泊をはじめる(11)~

 去る2月上旬、筆者宅から徒歩45秒くらいの自治会館で町内自治会の定例会が開かれた。

※写真はイメージです

 民泊を始めるために昨年8月に転居してきたこの街だが、聞くと町内会が六つの班に分かれ、ゴミ出しなどもその六つの班ごとに収集所がある。そして、以前にもご登場いただいた同年代の班長から「よろしければ四月から次の班長になっていただけませんか」という打診があったわけだ。  そもそも転居三・四か月で何もわかっていない筆者に何ができるのか多少疑問もあり、なおかつ町内会の役職など誰もやりたくない。筆者だって可能ならやりたくない。  しかしものは考えようである。この班長は筆者宅が千葉県知事公認の合法民泊であり、すでに何組ものゲストが泊まりに来ているのを知っている。つまりここで町内会の役職を務めれば、一気に民泊への支持をとりつけられるわけだ。筆者は班長就任に合意した。  そして三月までの旧班長六人と、四月からの筆者を含む新班長6人の12人が顔合わせとなったのが今回の定例会だ。筆者は上野駅で購入した12個1080円の菓子折りを持参した。  参加者を見ると新班長側に筆者を含め二人、旧班長側に一人の三十代がいる。あとは六十代か七十代だ。和室で行われた会議だが膝や腰がつらいと椅子に座っている方も多い。  議題は、おそらく全国津々浦々の町内会全てと同じだろうが「ゴミ問題」である。これについていくつか討議したあと、次に話題になったのが「イス問題」である。  前年度予算が約一万円手つかずで残っているという。その予算で、老人班長向けにイスを買ってくれないかという要求だった。

囲碁界でも主流は正座ではなく椅子

 そこで筆者は囲碁と将棋の話をした。この媒体で将棋のことを書いたら「こいつは将棋も知らないくせに」と批判がきたが、一体誰に向かって言っているのか。石田直裕五段との共著「史上初の詰飛車問題集」(主婦の友社)があるのを知らないのか。  弱いのは事実だが、知らなければプロ棋士と共著で本など出せるわけがない。ちなみに、「藤井聡太は新人王ではなく、タイトル二つくらいとれ」と書いた筆者などまだ甘いものである。「中卒で将棋に専念し、16歳で竜王を獲れ」と言ったのは日本将棋連盟理事・森下卓九段である。  本題に戻すが、囲碁は韓国・中国・米国・台湾など多国籍な競技ということもあり、昔から椅子対局が普通である。一方で、将棋は未だに和室に座布団で正座(もちろん、四六時中ではなく胡坐をかく時間帯もある)なので、高年棋士が膝や腰の痛みにより引退に追い込まれる場合が少なくないのだ。内藤國雄九段の引退声明がまさにそれだった。 「ひざと腰が痛く、長時間の対局に耐えられなくなった」 「正座の恨み」といえば、石原慎太郎著「弟」を読んでみるとよい。石原慎太郎は17歳で父親を喪う。長男だから喪主を務めるしかないのだが、喪主ということはずっと正座を通さなければならないということである。  一方の弟、つまり次男の石原裕次郎はバスケットボールで膝を痛めていたため、正々堂々と胡坐をかいていて、誰も文句を言わない。あの野郎、胡坐をかけて羨ましい、なんでオレはずっと正座で足が痺れて地獄の思いをしなければならないのか……と父ではなく弟の死後二十年近くたってまだ延々と書いている。 「囲碁のほうが国際化が進み、イスがあるから棋士の人は助かっているんですよ。私はイス購入に全面的に賛成します」  パイプ椅子の三つや四つ、買っても数千円だろう。筆者が寄付してもいいくらいだ。
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正式な認可を得て民泊経営をしていることを話すと、思わぬ展開に
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