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「eスポーツ」(electronic sports)は、ここ数年ニュースでもよく登場している言葉だ。eスポーツは、コンピュータゲームを利用した競技のことだ。数多くの大会が世界中で開催されており、その熟練プレイヤーはアスリートと見なされて多額の賞金を手に入れることができる。
日本は多くのコンピュータゲームを開発している国なので、過去に様々なゲームの大会がおこなわれてきた。しかし、それらがスポーツとして認められていたとは言いがたい。ゲームは文化の中でも一段低いサブカルチャーや、子供のためのものとして扱われてきた。
しかし、世界の流れから考えると、これからeスポーツは徐々に定着していくだろう。
そんな中、3月の前半に「Windows 95の最速インストール速度を競うスピードアタック」が話題になった(参照:
HACKADAY)。これは「RTA」と呼ばれるゲームの遊び方の系譜に連なるものだ。RTAは「Real Time Attack」の略である。ゲームの開始からクリアまでの時間の短さを競う遊び方だ(
RTA)。
Windows 95のインストールをゲームと見なして、その開始から終了までの時間を競い合っているわけである。件のWindows 95の最速インストールは、上記参照先の時点で
1分10秒9という時間がワールドレコードだったそうだ。
Windows 95が現役だった当時と違い、現在はマシンが高速だ。そのためインストールが終了するまでの時間も大幅に短くすることができる。あとは、どれだけ素早く操作したり、文字を入力したりできるかの戦いだ。これは1つの競技の誕生だなと思った。
「そんなものが競技になるのか?」と思う人も多いだろう。しかし人間は、あらゆるものを競技にする。最新のマシンを使い、一定のレギュレーションのもとで、最短の時間を競うのはその典型例だ。こうした競技は数多く存在する。F1などの自動車競技、またカヌーやヨットを使ったレースが、似たものとして該当するだろう。
新しい道具が現れれば新しい競技が誕生する。今回は、パーソナルコンピューターという道具を利用したものだったが、人類は道具を精妙に扱えるかを競う多くの競技を考案してきた。弓道、アーチェリー、射撃。これらは、道具の扱い方の上手さを競う競技と言える。
人類は数多くの乗り物や武器と同じようにコンピュータに出会った。そのことにより発生した競技は複数ある。本記事では、それらの中からいくつかを紹介していこう。