日本の映画料金、世界でもトップクラスに高いのはなんで?

配給と映画館の経営母体が同一会社

「ある映画館の料金が上がっただけなら、ほかの系列の映画館に行けばいいのでは?」と思われる方もいるだろう。だが、TOHOシネマズの値上げはほかの映画館にも大きな影響力を及ぼすものだ。それはなぜか? 日本の映画館は配給会社が直接的に経営、あるいは提携しているケースがほとんどだからだ。  ’00年代以来活発化したシネマ・コンプレックスの発展の影響で、現在、日本における映画館数は大手4社がそのほとんどを占めている。東宝系列のTOHOシネマズ、ワーナーが参加しているイオン・シネマ、松竹が経営する松竹マルチプレックス・シアターズ、東映が運営するティ・ジョイの4つがメインとなっているのだ。  大昔は、配給会社専門の映画館というものも存在したが、スクリーン数の多いシネコンが生まれてからは「一社提供」というわけにもいかず、映画館としてはさまざまな配給会社の作品がないと運営していけないのが現実だ。

「TOHOシネマズ」価格が業界標準になりやすいワケ

 そこで、ある映画館Aが、ほかの配給会社Bの運営する映画館よりも極度に低い料金設定をしたら、いったいどういう事態が考えられるか? 「Bで配給している作品は、Aでは上映させない」。そういう反応が起こっても何ら不思議はない。  現在、邦画のヒットの大半を占めているのは東宝の作品だ。ほかの劇場の料金がTOHOシネマズとさほど変わらないのには、そういう理由もあるかもしれない。  なお、外国の例では、配給会社と映画館チェーンを運営する会社はわかれているのが普通だ。AMCやシネマークといった世界的な映画館チェーンに、特定の配給会社が経営に関わっているなどという話は聞いたことがない。
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テレビとビデオの普及で料金が値上がり
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