台湾出身の囲碁棋士はほとんどが中国系の外省人である
ここで筆者は、黒嘉嘉の母方の祖父がどこから来たか聞いてみた。
「私が聞いているのは、中国の湖南省出身ということですね。おそらく、戦後に台湾へやってきたのではないでしょうか。でも母は生まれも育ちも台湾で、私自身はオーストラリアで生まれたのですが、四歳の時に台湾へ移り住んだということです」
母方の祖父について聞いたのには理由がある。台湾出身のプロ囲碁棋士、つまり林海峰も張栩もそうだが、ほとんどが中国系の外省人なのだ。筆者の経験上、日本でも大活躍した台湾の偉大な野球選手はほぼ全員が原住民出身であり、囲碁棋士は中国系の外省人である。
「四歳で台湾に移ってから、私は台北の小学校に通いました。姉が一人いますが、私たちが英語に加えて中国語も話せるようにというのが両親の願いだったようです。ただ、父は未だに一切中国語を話せません。長年私たち家族が努力して教えようとしたのですが、ダメでしたね。長年エンジニアとして働いていたのですが、会社の同僚が全員英語を話せるということで、中国語を話せるようになることはありませんでした。昨年定年退職しましたね」
今後、黒嘉嘉はプロ棋士としていつ頃までやっていきたいと考えているのだろう。
「それはもう、可能な限り長く続けていきたいです。しかし、もっと下の年齢で強い棋士が出てきていますし、競争は激しくなるばかりで最近は若いうちに引退する人も結構いますよね。しかし私としては少しでも長く続けていきたいというのが希望です」
次回は、AI時代における囲碁の在り方と仲邑菫の将来についてさらに黒嘉嘉に聞くこととしたい。
【タカ大丸】
ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『
ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「
ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『
貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。
ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『
ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「
ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『
貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。