違法薬物事案で逮捕、作品出荷停止を経験した電グルファンのミュージシャン、ピエール瀧逮捕への思いを語る

高野政所氏

高野政所氏

 電気グルーヴのピエール瀧逮捕からはや一週間。依然としてワイドショーなどはその話題で盛り上がっている。  電気グルーヴといえば、ある年代の人間には大きな影響を与えたミュージシャンであり、SNSでもショックを受けた人、悲しみにくれた人、はたまた電気グルーヴファンならではの「ネタ」にする人など反応はさまざまだった。  そんな中、電気グルーヴに強く影響を受けて音楽の道に進み、メジャーレーベルからデビューしたというタイミングで大麻所持で逮捕され、作品が販売中止になった経験を持つ人はそう多くはないだろう。  今回はそんな経験を持つ、ミュージシャンの高野政所氏に、ファンとして、逮捕経験者として、作品販売中止を経験したものとしての「ピエール瀧逮捕」についての思いを寄稿してもらった。

面白くてかっこよくて成功してるアニキ達だった

 3月13日にピエール瀧容疑者がコカインの使用の疑いで逮捕された。  電気グルーヴのメンバーとしてだけではなく、ラジオパーソナリティ、俳優、声優など非常に活動は多岐に渡っており、いずれも高い評価を得ていた。  そういう自分も電気グルーヴのラジオを聴き、電気グルーヴの音楽を聴き、電気グルーヴに憧れて音楽をはじめたクチである。  近年は瀧さんのラジオやテレビ、スクリーンでの活躍を見て、本当にすごいなーと変わらぬ尊敬をしていた。  面白くてカッコいい音楽をやる面白くてカッコよくて、おまけに人生にも成功しているアニキ達。そう、僕にとって電気グルーヴは神様みたいな存在の一つだ。  そういうわけで、この文章にはだいぶ私情が加味されるということをご理解頂きたいし、瀧容疑者なんて呼びたくない。だから文中では瀧さんと呼ばせて頂きたいと思います。  また、この文章を読む中で僕の考え方とは正反対の方ももちろんいると思いますし、不快になる方もいると思いますが、「考え方は人それぞれ」という言葉の意味を深く噛み締めて頂くと同時に共感はしなくても理解はしようって感じで、温かい目で読み進めて頂くか、また薬物の話題が出てきて、不快に感じるようであれば、ますます不快になること間違いなしなので、すぐに読むのをやめる事をお勧めします。

「そうか、僕のときもこうだったのか!」

 僕は電気グルーヴのいちファンであり、瀧さん自身とプライベートな交流は全くなく、5年くらい前に自身がTBSラジオでやっていた「ザ・トップ5」というラジオ番組に一度ゲストで来ていただいた以来お会いした事はない。  瀧さんの逮捕は何の気なしに見たツイッターで知った。知った瞬間に驚きで思わず声が出た。  そして、何人かの友達にLINEで衝撃と驚きを伝える旨のメッセージを送った。深夜だったが、その日は全く眠れなかった。  SNSに張り付いて瀧さん逮捕に衝撃を受ける人達のツイートを眺めなていた。  自己紹介が遅れましたが、自分は高野政所という者で、クラブDJやダンスミュージックなどの音楽制作、今はステッカー屋をやっている者です。TBSラジオでパーソナリティをした時期もありますし、渋谷の道玄坂でアシッドパンダカフェというクラブの店長をしていたのですが、今から約四年前、2015年の3月に大麻所持で逮捕されて、懲役半年、執行猶予三年という裁きを受けました。  ニュースにもなりましたので、もしかしたらご存知の方もいるかも知れません。  SNS上ではすでに「驚いた」という意見や、落胆する意見、電気グルーヴのファンらしい一捻りある意見や、早くも復帰を望む人、薬物解禁派の擁護意見、完全に第三者の謎の上から目線で批判する人、瀧さんの何を知ってたんだか知らないけど、やたらに知った風な口調で偉そうな事をつぶやくアカウント、とくに関わりもないミュージシャンの「ダサい!ダサ過ぎる!」みたいな思考停止したバカバカしい批判など…とにかくタイムラインの全てがこの「ピエール瀧コカインで逮捕」関連で一色だった。特に僕がフォローしている人の属性もあるだろうけど、ほとんどの人がこの事について発言していた。  とにかくみんながみんな瀧さんのこの逮捕について何かしら好き勝手にTwitterに書き散らしていた。  昔は、世間では大事件があった時、テレビや新聞でその事件を知って、せいぜい知人や友人と好き勝手な意見を言い合うくらいが関の山だったんだけど、ネットの普及で全ての人達の街中での会話程度の意見が文字として可視化されるのが今の時代だ。憶測やデマや批判や悲しみ、怒り、単なる野次馬根性などが、ごちゃ混ぜになった壮大な井戸端会議が日本中で、しかも無数に起きて、それが目に見える形になっている。  知人から「政所くんの逮捕の時も、そっくりな状況だったのを思い出した。」とメッセージが来たところでハッとした。 「そうか、僕の時もこうだったのか」と。
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逮捕後、当たり前にあったものがなくなった
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