増加する日本人出張者や駐在員によるセクハラ事例。「輸出」される日本の恥

局部の写真を突然、送りつけてくる

 一方、現地の外国人ではなく日本人女性を狙ってセクハラ行為を行う出張者も少なくない。中国・広東省の日本料理店で働く日本人女性のYさん(27歳)は、昨年10月に来店した出張者から、悪質なセクハラ被害を受けた。 「その日、初めて会った人で日本の大手高炉メーカーの社員でした。彼はお店で私にさかんに話しかけてきて、メッセージアプリで『友人』になることを強く求めてきた。私も根負けして了承したのですが、ホテルの部屋から彼の男性器の写真と『抱きたい』などというメッセージが送られてきたんです。無視していると、一方的にホテルの部屋番号などを送ってきた」  さらにフィリピン・セブに語学留学をしていた日本人女性(23歳)も、アルバイトをしていた際に、日本人駐在員のセクハラ行為のターゲットにされた。 「日系の不動産会社でバイトしていたんですが、ある日、大手飲食チェーンから単身赴任していた男の賃貸の内見に通訳スタッフとして立ち会ったんです。連絡先を交換したら『単身赴任で寂しい』『パパ活に興味ない?』などとメッセージが毎日送られてくるように。たまりかねて『もう連絡しないで』と言うと、男からは『フィリピンって学生ビザで働いていいの?』『問題にできるもんならやってみろ』と捨て台詞。確かに学生ビザでのアルバイトは違法ですが、男は私が弱い立場にあることにつけ込んでセクハラのターゲットにしてきたんです。ほんと許せない」

日本人出張者や駐在員によるセクハラ事例は近年、増加傾向

 東南アジアの日系企業を顧客に抱える、日本人の労務コンサルタントによると、日本人出張者や駐在員によるセクハラ事例は近年、増加傾向にあるという。 「セクハラ問題が増えてきたのは、皮肉なことに日本企業がセクハラ対策に本腰を入れ始めたここ5年くらい。ポスト・チャイナとして東南アジアが注目され、進出企業が増えたこともありますが、日本国内でセクハラができなくなったことの反動で、海外に来てここぞとばかりにハメを外しているようにも見えます。現地支社や日系子会社は規模が小さいためセクハラの相談窓口もなく、本社から来た少数の社員に権力が集中しているので、問題にならないとタカをくくっているケースも多い」  セクハラおやじが女性を蔑む姿は、恥さらし以外の何物でもない。 <日本企業による過去の事件> ●大手自動車会社 セクハラ問題 アメリカ ’96年  社内でセクハラが横行し、被害者により提訴されたが会社側は「不当な訴え」だと反発。その後、従業員たちによる抗議デモや不買運動に発展し、北米における日本企業への不信を招いた ●大手自動車会社 セクハラ訴訟 アメリカ ’06年  現地法人の社長からセクハラを受けたとして日本人従業員が告発。損害賠償の請求額は200億円を超える前代未聞の金額だった。米メディアが一斉に報じ、社長は辞任に追い込まれた ●日系企業 抱きつき訴訟 中国 ’11年  広東省内にある日本企業の駐在員が忘年会で現地女性社員に酔って抱きついたとして提訴された。過去にも何度もセクハラがあったと証言し、裁判所は賠償金約4万円の支払いを命じた ●大手アパレル 痴漢逮捕 台湾 ’14年  大手アパレル企業の台湾にある店舗の店長が、路上で若い女性に抱きつき、胸部を触るなど痴漢行為をして逮捕された。台湾メディアでは実名とともに「変態店長」と報じられた ●大手銀行 セクハラ訴訟 韓国’17年  韓国人の女性職員に日常的にセクハラ行為をしていたとして、2人の日本人社員が起訴された。慰謝料として約270万円を支払うよう命じる判決が言い渡され、本社の責任も認定された ― 出張セクハラおじさんが急増中 ― 取材・文/奥窪優木 アズマカン
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