株で稼ぐ!「ワケあり優良銘柄」の見つけ方

2014年の爆上げ銘柄といえばミクシィの印象が強かったが、お宝のタネはまだまだあった! 凄腕投資家の「仕込みの技術」とは?

親子上場廃止銘柄狙いから、「ワケあり優良銘柄」狙いに路線転換中

タカシマ氏

タカシマ氏

【タカシマ氏】 小学生の頃からファミコンソフト『松本亨の株式必勝学』をやり込んでいた筋金入り。2年前に地元の金融機関を退社し、サラリーマン投資家から専業投資家に 投資歴:’96年から18年間 手法:中長期投資 主な監視銘柄:親子上場廃止銘柄  資産10億円のタカシマさんが保有する株式銘柄の総数はなんと600以上。「ほとんど“コレクション”です」と笑う。しかも、これらはすべて「いずれ大化けするであろう、お宝銘柄」だとか。  そんな中でも、長年タカシマさんの投資戦略の中心にあったのが「親子上場が解消されそうな銘柄」。いずれ完全子会社化されたときに親会社株式交換によるプレミアムで儲けるという手法だ。そのメリットは「堅実性」にある。 「過去の例を見ると、親会社が健在なのにもかかわらず、子会社が潰れたのはダイナシティだけ。しかもこれは、社長が覚醒剤所持で捕まったために起こった例外的なケースですからね。それだけ安全性は高いと言えます」  これまでも3回に1回は親子上場解消の予想を的中させてきたタカシマさん。ぜひ我々もあやかりたいところだが、残念ながらこの手法に陰りが出てきたとか。 「作年、戦略的に取れたのは日本電産リードと日本電産コパル。親会社である日本電産は、このところ毎年2社ずつ系列企業を完全子会社化していたので、くるはずと読んだんです。ただ、付いたプレミアムが低かったので、約1億円の投資で利益は1000万円ほど。あまり割のいい投資とは言えませんね(苦笑)。さらに、投資対象となる親子上場企業もそろそろ少なくなってきてしまいました」  そんな中、今年最大の成果をもたらしたのは「アドテックプラズマテクノロジー」。上記の戦略とは関係のない銘柄である。作年1月時点での株価は1700円前後。それが7月には1万円を超え、8月には3万円を突破! タカシマさんは、作年の利益4億4000万円のうち、7割以上を同社の株売却で叩き出している。 【グラフ】はコチラ⇒https://hbol.jp/?attachment_id=18840
アドテックプラズマテクノロジー

「当初は3000円くらいで売るつもりだったのですが、ここまで急激に値上がりすると売るに売れず、むしろ勢いに当てられて『ついついポチる』有り様。最終的には4万株近く買っていましたね」

「平均買い付け額は1760円、平均売却額は1万300円でした。3月に業界紙に取り上げられて、4月頃から株価があれよあれよと言う間に上がり始めたんです。注目の理由は、リニアモーターカーの電池を作っている子会社を持っていたからなんですが、それまでは誰も注目していませんでしたね」  この株を、タカシマさんは’12年春から徐々に買い進めていたという。 「地元(広島)の企業を応援したいという気持ちで銘柄を選定していた中で見つけたのがアドテックだったんです。  PBRの低さや、イノベーションをもたらす技術開発を行っている企業である点で、長期保有すれば必ずリターンがあると見込んでいました」  割安な優良企業を長期保有する――という投資の王道を再認識させてくれるエピソードである。

妄想でもいい。「上昇のシナリオ」を頭の中で描け!

 来年以降も、景気やトレンドに踊らされることなく、「時価総額が安いか、PBRが低い」という原則を押さえた上で、上昇のシナリオが頭の中で描ける銘柄をコレクションしていくだけ……というタカシマさん。 「アベノミクスで新規参入してきた人の多くは、その時々の人気投票で株を買っている印象。その中で不当に低く評価されている企業も少なくないので、そうした銘柄を拾っていきたいですね」  中でも、三栄建築設計のケースは、一般投資家の動向を伺い知るうえで興味深い。 「三栄建築設計は、社長が株式数をごまかしていた不正がバレて、株価が1500円から700円に急落しました。しかしその後、社長が配当金の受け取りを辞退するなど、真っ当な経営をして再建してきたんです。そんな中で起きたのが『優待変更事件』。100株保有でお米券5kgだったのが、100株以上2kgに減り、その代わり1000株以上持っている人には8kg。つまり、株主の統合を狙った踏み絵ですよ。ところが、少なからぬ個人投資家がこれに引っかかって同社の株を手放し、一時は950円くらいつけていたのが900円前後に逆戻り。結局、企業価値よりお米券を重視する人が多いということなんですよね……」 【グラフ】はコチラ⇒https://hbol.jp/?attachment_id=18841
三栄建築設計

不正事件でミソをつけるも営業利益は急回復中。なのに、株価にはいまだ反映されておらず、狙い目と言える

 イナゴ投資家が取りこぼした「ワケあり株」にこそ勝機はある。さらに、東証一部は除外せよ――との助言も。 「東証一部はプロの市場。株を持っていない人間までウリをかけられるので、株価の頭を押さえられてしまう。つまり、上昇を阻害できてしまうので、なかなかシナリオ通りには運ばないんです。それよりは二部やJASDAQに注目すべき。株主が2200人前後、もしくはそれより若干少ないくらいであれば、一部上場を狙っていることが明確。権利直後くらいに買っておけば、株主総会までに株主が増えて、大手を振って一部上場……というストーリーが見えます」 【2015年必勝戦略】イナゴ投資家が取りこぼす優良株を探し出せ

スクリーニング法

・時価総額が安いorPBRが低い ・イノベーションをもたらすような技術を持っている ・グループ企業の子会社 ・東証2部もしくはJASDAQ銘柄

まだある! 来年あたり噴きそうな注目銘柄

FXプライムbyGMO(JQ:8711) 株価:578円 売買単位:100株 時価総額:4797百万円 PBR:1.22倍 タカシマ氏のシナリオ:GMOクリックホールディングスが株式の約78%を保有。完全子会社化によって親会社が4月上場を予定している。「今のところ、思ったほど株価は上がっていないものの、名称変更などで周知されれば一気に高騰しそう。ただし、新株式を発行しないことが条件」 NCS&A(東証2部:9709) 株価:302円 売買単位:100株 時価総額:6588百万円 PBR:0.59倍 タカシマ氏のシナリオ:8月に日本コンピューターシステムとアクセスが合併。「アクセスは’09年に社長の不正が発覚して上場廃止。その後は堅実な経営を行ったことが認められ合併に至った。1株純資産に対株価が約300円なのでこれ以上は下げにくい。これからの両社のシナジー効果に期待」 ニッセイ(東証2部:6271) 株価:972円 売買単位:100株 時価総額:28377百万円 PBR:0.62倍 タカシマ氏のシナリオ:「親会社のブラザー工業が夏から秋にかけて100億円もの自社株買いをしており、それ以前に保有していた株を合わせると価格上昇を含めてニッセイの株式交換を自社株だけで行える状態に。親会社が自社株買いを始めるのは、完全子会社化のかなり有力なサインです」 シャルレ(東証2部:9885) 株価:457円 売買単位:100株 時価総額:9613百万円 PBR:0.44倍 タカシマ氏のシナリオ:「今年末か来年頭にMBOがくるのではないかと予想。’08年、同社の経営陣がMBOの株価誘導を画策して失敗。詐欺の時効は7年なので、それを過ぎてから動くのでは。不動産へ手を出しているのも個人的にはMBOの兆候と見る。株価が低値に向かいやすい11月が仕込み時」

Q.トレードに影響を与えた本は?

『株でゼロから30億円稼いだ私の投資法』遠藤四郎著。「著者が実名で四季報に載っており、資産がなかった頃のモチベーションに」

Q.毎日トレードに費やす時間は?

約6時間「正確には9時~15時。下準備なども含めると8時から16時半くらいまで費やすことも」

Q.2015年の注目イベントは?

わからない ……が、全体的に突発的な急落イベントが起きても対応できるポジションを持ちたい。 ― 株&FX 爆勝トレーダーの必勝投資術【2】 ―
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