おそらく政府としては、日韓関係の「こじれ」を根拠として、独立運動奉祝集会が反日集会に転じることを危惧したのだろう。しかしそれは、誇大妄想、被害妄想に類するものだ。確かに近年、徴用工問題、レーダー照射事件など、日韓両国に不幸な行き違いが発生しているのは事実だ。しかしそのたびに、妄想を膨らませているようでは、なんの解決にも結びつかないではないか。
「隣に住んでるヤツ、俺にレーダー照射してくるし、ずっと俺を監視してやがる。出歩いたら襲ってくるかもしれない」
また譬え話で恐縮だが、こんな主張をする人物が身近にいれば「落ち着け。そして病院に行け」とアドバイスするほかないではないか。
<取材・文/菅野完>
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日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。現在、週刊SPA!にて巻頭コラム「なんでこんなにアホなのか?」好評連載中。また、メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(
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